あなたの誕生樹

あなたの誕生樹NO.55

クスノキ

5月25日

 

 

「大楠公(だいなんこう)」と敬愛された楠木正成は、足利尊氏と兵庫・湊川の戦いで敗れて、延元元年(1336年)5月25日に自害したことから、この日の誕生樹はクスノキ(楠、樟)としました。大楠公を祀る兵庫県・湊川神社には、クスノキの大木が多く植えられています。

クスノキは、いわゆる照葉樹の代表的な樹木で、中国南部から台湾、西日本中心に広く分布する常緑高木です。英語名ではカンフー・ツリーと呼ばれていることから想像されるように、この木の枝葉からカンフル剤が蒸留され、また、古くから防虫剤の樟脳をとる原料にもなっていて、葉っぱなどに強い香りがあります。木材としては古くから船の材料に使われていたようです。

防虫剤の原料になる成分を持っているからでしょうか、長生きして大きくなる木が多く、鹿児島県の蒲生町の大楠は目通り(目の高さに相当する部分の木の幹の太さ)23メートルもあり、日本最大の樹木で、樹齢は1500年を超えているとのことです。根元は大きな洞(樹洞)になっていて楽々人が入れるぐらい、そういえば宮崎駿のアニメーション・トトロもクスノキの洞に棲んでいました。

クスノキは防虫剤の成分を持っている一方、葉っぱには“ダニ室”があることも面白いですね。ダニにも、植物を食べる食植性のダニと虫などを食べる捕食性のダニがいるそうで、クスノキはその両方のダニが住めるような穴(室)が葉にあって我が身を守っているのです。“ダニを持ってダニを制する”という不思議なメカニズムなのでしょうか。

 

文:椋 周二

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