あなたの誕生樹

あなたの誕生樹NO.289

カンボタン

1月14日

 

「花のこゑ聴かむとかがみ寒牡丹」(鷹羽狩行)                                                                       中国では「花王」といわれるボタン(牡丹)は、普通4月頃咲いて4月15日の誕生樹にしていますが、春芽を摘み取って冬芽を残し寒い時期に花を咲かせるようにしたカンボタン(寒牡丹)は1月15日の誕生樹にしています。雪や風から守るために菰で囲われた花はどんな声をしているのでしょうか?

奈良県桜井市の「花の寺」として有名な長谷寺に、昔、観音様に願をかけて綺麗になった后がお礼に牡丹を献じたという言い伝えがあるといいます。

ところで、江戸時代、生類憐みの令が出た後、動物の肉の隠語ができたとかで、イノシシ肉は唐獅子からの語呂合わせで「牡丹」、ウマ肉はその肉の色合いから「桜」、シカ肉は花札の絵柄から「紅葉」、ウサギ肉は十五夜の餅つきの連想から「月夜(げつよ)」というふうに呼ばれています。最近は田舎に限らずイノシシが出ることが多くなっていますので、日本型ジビエの「牡丹鍋」が多くなってくるかもしれませんね。ちなみに、牛肉や豚肉にこうした隠語がないのは、これらを日本人が食べるようになったのが明治以降だったことから隠語を作る必要がなかったからだという説も面白いですね。