あなたの誕生樹

あなたの誕生樹NO.294

カンヒザクラ

1月19日

 

桜の国・日本で最も早い花見ができるのは沖縄県ですが、名護市のシンボルツリーとなっているカンヒザクラは1月下旬ごろから見頃を迎えます。この桜の「琉球寒緋桜」は台湾原産の寒緋桜(カンヒザクラ)の変種ではないかと言われています。

サクラは大きくは山桜、大島桜などの“野生種”と染井吉野、関山などの“園芸種”(人の手により接ぎ木など栽培される同一クローンのサクラで栽培種とも呼ばれています。)に大きく分けられます。サクラの花には雄蕊も雌蕊もあるのですが、同じ木では受粉をしないという“自家不和合性”という特性があるため、異なる木との間で受粉をして実をつけて増えていくわけです。そうした自然のままの増え方をするのが“野生種”ということでしょうが、例えば野生種の江戸彼岸と大島桜との自然交配によりできたといわれている染井吉野はその美しさを引き継ぎながら増やすために接ぎ木で栽培された“園芸種”ということになります。

カンヒザクラの花は、サクラ色というよりは濃い緋色で、釣鐘状に垂れ下がり、咲き始める時期が早いのがその特徴です。伊豆半島とか本州南部でも栽培されているので“園芸種”になるのでしょうが、東京辺りでも2月中旬頃から咲き始める“早咲きの桜”の代表的なものです。特に伊豆半島ではカンヒザクラと大島桜との自然交配により早咲きの美しいサクラが発見され、その後栽培により増やされていった「河津桜」が代表例でしょうか。

カンヒザクラは早咲き品種の交配親として有名で、「河津桜」の他に「寒桜」、「オカメ」、「陽光」などの早咲きの桜ができていますが、大体、ピンク色の花をつけるのが特徴でしょうか。

このようにカンヒザクラは日本にいち早く春の訪れを告げてくれますが、花を塩漬けにしたものを桜湯として楽しめたり、サクランボ酒やジャムにしても楽しめるということです。