あなたの誕生樹

あなたの誕生樹NO.4

カンノンチク

4月4日

カンノンチク(観音竹)は江戸時代初期に中国から琉球(沖縄)経由で日本に入ったヤシ科の常緑低木で、首里の観音堂にちなんでこの名前が付けられたということです。この観音堂は慶長14(1609)年4月4日、琉球王朝の後の国王・尚寧が島津藩に連行された日ですが、その父親である尚久が旅路の安全をこの観音に祈ったところ、2年後、無事に帰還することができたことから、「旅の出立ち観音」として今も信仰されているとのことです。

1400年代から450年も続いた琉球王朝の国王は代々、尚さんのようですが、その流れをくむ尚明さんという方がおられました。尚明さんは建設省の大先輩でもあるのですが、住宅局長の後、住宅公団の副総裁もされた方です。課長時代に公団住宅の設計にダイニングキッチンを導入されたのですが、それは “たこウィンナー”の考案者として有名な料理研究家の奥様さんが北側の台所で震えながら炊事をしていた姿を見て、南側にキッチンを作ることを思いついたとのことです。そのことはNHKのプロジェクトX “妻に贈ったダイニングキッチン“で紹介されていました。

文:椋 周二