あなたの誕生樹

あなたの誕生樹NO.338

オガタマノキ

3月4日

 

1869(明治2)年3月4日、明治政府は貨幣を円形とし、金銀銅の貨幣を鋳造する「円貨の制度」を定めたことから、この日は「円の日」となっています。それまでの貨幣の基本単位は「両」で、これ以降「円」となったわけです。

ところで日本の硬貨にはそれぞれ植物が図化されています。五円硬貨は「稲穂」、十円硬貨は「常盤木」(常盤木は常緑樹の意味ですが、デザインは月桂樹のようでもあります)、五十円硬貨は「菊花」、百円硬貨は「桜花」、五百円硬貨は「桐、竹、橘」です。それでは最も基本硬貨の1円は「若木」とありますが、この若木は「オガタマノキ」だという説があって、私もそうと思っています。

オガタマノキを漢字では「招霊の木」。この木を神社の境内に植えて神を招くとのことからといわれています。

オガタマノキは日本に自生するモクレン科の常緑樹です。2~4月頃に淡く黄色がかった白色の基部の紅紫色の花が咲き、とてもいい香りがします。秋には赤い実が鈴状になります。

このオガタマノキには興味深い伝説があって、昔、天照大神が天岩戸に隠れられた時にアマノウズメが岩戸の前でこのオガタマを持って踊ったということです。そういえば、巫女さんが鈴を鳴らしながら舞いますが、この振り鈴はオガタマノキの実を意味していているのではないか。そうしたことから一円硬貨にデザインされている若木はオガタマノキだと思っているわけです。