あなたの誕生樹

あなたの誕生樹NO.364

オオシマザクラ

3月30日

 

オオシマザクラは、伊豆大島や伊豆半島を中心に自生する日本の固有種のサクラで、白い比較的大きな花と葉が同時に展開します。同じ日本の固有種のヤマザクラは葉より花が先に展開するのと対照的です。

生長がはやく、再生力が強く、燃料にするために植えられたことから「タキギザクラ」ともよばれてします。

また、大型で香りのいい白い花をつけます。こうしたことから多くの栽培品種の親となっており、ソメイヨシノの片方の親と言われています。

このオオシマザクラは、その葉が大きく、比較的強い芳香があるのも特徴で、桜餅に使われることから、「モチザクラ」とも呼ばれています。

江戸時代、向島の長明寺の門番だった山本新六が桜の木の下を掃除していて、何とか桜の葉を利用できないものかと考え桜餅を考案したといわれています。長明寺自体は現存していませんが、「長明寺の桜餅」は今もそのおいしさと共に受け継がれています。

この芳香は葉や花に含まれているクマリンによるものです。我が家の近くの川沿いに色々なサクラの並木があるのですが、オオシマザクラを通り過ぎる際にいい香りがすることがあります。

一般的にサクラの実はセイヨウミザクラ系を除いて食用になることはないと思いますが、私は毎年、オオシマザクラの中でも甘味の強い実をとり、サクランボ酒を作って楽しんでいます。