NO.307
アオギリ
2月1日
幹が緑色でキリに似ていることから名付けられたというアオギリは、公園樹や街路樹に植えられている落葉高木で、平安時代に中国から日本に持ち込まれたといわれています。中国名は「梧桐」ですが、これに対して日本の一般的なキリは「白桐」。
大変丈夫な樹木で、広島の原爆投下後、爆心地近くのアオギリは幹の半分が焼け焦げたにもかかわらずいち早く再生し、多くの被爆者を勇気づけたといわれています。言わば核兵器廃絶と世界恒久平和の訴えるシンボルツリーで、今は平和記念公園に移植されたアオギリの実生で育ったアオギリが全国各地に贈られていて、私の住んでいる小金井市にも植えられています。
大正から昭和初期に新しい俳風を追求した河東碧梧桐という人は、正岡子規の高弟の一人として有名です。「碧梧桐」は子規が付けた俳号とのことですが、“青白いアオギリ”というよりは“碧い(緑の)大木アオギリ”という意味だったと思います。
その碧梧胴は昭和12年2月1日に亡くなっていて、この日は「碧梧桐忌」となっています。
〇 赤い椿白い椿と落ちにけり (河東碧梧桐)