食のこばなし

キュウリ

NO.117

キュウリは食べるのを嫌われていた!

子供時代、キュウリは代表的なおやつでした。もぎたてのキュウリをもらうと、半分に折ってタネが詰まっている真中に割りばしを入れてタネをかき出します。真中に空洞を作ると、今度はそこに味噌を詰め込んで出来上がり。歯切れのよさとパリッとした瑞々しい食感を楽しみながら、味噌詰めキウリを惜しみながら食べたものでした。

ところがキュウリは長い間、食べてもらえない時代がありました。「食べ物起源事典」(岡田哲編、東京堂出版)などによると、嫌われた理由として次のようなものがあげられています。
①独特の臭気がある②頭部に苦みがある③毒が多い(苦味からくる誤解らしい)④織田信長の家紋である木瓜(ぼけ)の花の形がキウリの切り口に似ている⑤切り口が京都祇園社の紋に似ているから食べるとたたりがある⑥徳川家の三つ葉葵に似ている⑦三日天下の明智光秀の桔梗の紋に似ているなどがあげられています。

世界中で5000種類もある

キュウリはインド、ヒマラヤが原産地で、6世紀ごろ中国から日本に渡ってきたと言われています。胡は西域の意味で、西の方から渡ってきた瓜という意味で胡瓜と付いたという説や、熟してくると黄色くなるので黄瓜と書いたという説などがあります。日本では平安時代から栽培されていたようですが、一般に広がっていったのは江戸時代からのようです。キュウリは世界中で5000種類くらいあります。イボの色から白イボ系と黒イボ系の種類に分けられますが、最近では皮が薄くて歯切れがよい白イボ系のキウリが好まれているようです。もともとは6月から9月までが旬ですが、いまではハウス栽培で1年中出回っています。濃い緑色をした全体に張りがあって、イボが棘のようにとがって痛いくらいのものが新鮮です。キュウリの表面に浮くように出ている白い粉状(ブルームと呼ばれている)は、キュウリの実から出てくるもので、水分が蒸発するのを防ぐ働きをしているようです。ブルームは農薬のように見えますが、むしろブルームがあるのは新鮮な証拠とも言われています。

 

夏に最適の野菜

キュウリの主成分は、90%以上が水分です。栄養素としては100gあたり、カリウムが210mg、食物繊維0.4g、カロチン150μg、ビタミンC13㎎です。キュウリはドクダミの主成分であるイソクエルシトリンも含まれています。カリウム、イソクエルシトリンには利尿作用があり、むくみを解消する効果があるとされています。またカリウムは、塩分を体外に出し、血圧の上昇防止、筋肉の動きを良くします。夏は発汗が多いので、汗と一緒にカリウムも奪われ、夏バテの原因になりやすいのでキュウリは夏の野菜として最適なのです。

瑞々しいパリッとした食感、独特の青臭さ、緑色の爽やかさが特徴で、生野菜サラダには欠かせない食材です。またビタミンCを酸化させるアスコルビナーゼという酵素も含まれています。酢の物にするとこのキュウリ酵素の働きをおさえ、ビタミンCを効率よく摂取できるということです。独特の青臭さの成分は、ピラジンという成分で、血栓を予防し、脳梗塞、心筋梗塞に効果があるそうです。

加熱料理も酵素の働きを抑えます。欧米や中国では炒め物、煮物、スープに使います。スペインのガスパッチョ、キプロスや中東ではキュウリとヨーグルトのサラダやスープ、フランスはキュウリのクリーム煮や、暑い国の冷製スープなどがあります。福島県の田舎ではキュウリを味噌汁の具にしていました。ほかの地方でどうか知りませんが、筆者はこの味噌汁キュウリが大好きでした。生のキュウリも味噌と合うので相性がいいように思います。

筆者が北海道にいたころ、よくチカ釣りに行きました。チカは別名キュウリとも呼ばれて魚で、魚体の臭いがキュウリに似ているのでこの名がついたようです。ワカザギの仲間であり、釣り上げたキュウリは唐揚げや素焼きにしてよく食べたものです。洗ったキュウリを切らずに、味噌をつけて食べながら冷えたビールをグイっとあおるとき、子ども時代のキュウリのおやつを必ず思い出します。

文:ばばれんせい 絵:すなみゆか

都道府県 収穫量
宮崎県 61,700t 11.6
群馬県 53,900t 10.2
埼玉県 43,300t 8.2
福島県 39,200t 7.4
千葉県 30,900t 5.8
茨城県 23,700t 4.5
高知県 23,200t 4.4
佐賀県 15,200t 2.9
北海道 15,000t 2.8
熊本県 14,200t 2.7
愛知県 13,700t 2.6
宮城県 13,500t 2.5
長野県 13,100t 2.5
岩手県 12,100t 2.3
山形県 11,200t 2.1
栃木県 10,300t 1.9
神奈川県 10,300t 1.9
福岡県 9,430t 1.8
秋田県 9,210t 1.7
愛媛県 8,250t 1.6
鹿児島県 8,350t 1.6
新潟県 7,910t 1.5
長崎県 7,170t 1.4
徳島県 6,790t 1.3
岐阜県 5,770t 1.1
青森県 5,040t 1
京都府 5,130t 1
山梨県 4,590t 0.9
広島県 4,050t 0.8
香川県 4,230t 0.8
滋賀県 2,980t 0.6
兵庫県 3,080t 0.6
島根県 3,280t 0.6
山口県 3,060t 0.6
岡山県 2,620t 0.5
大分県 2,640t 0.5
三重県 1,990t 0.4
和歌山県 2,010t 0.4
石川県 1,620t 0.3
大阪府 1,720t 0.3
奈良県 1,700t 0.3
富山県 1,230t 0.2
出典:地域の入れ物

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