あなたの誕生樹

あなたの誕生樹NO.2

レンギョウ

4月2日

中国原産のレンギョウ(連翹)は、中国名が「黄寿丹」、英名が「Japanese Golden Bell」とあるように、サクラに頃に鮮やかですがすがしい黄色の花を鈴なりにつけます。

「手」や「鯰」などの彫刻で有名な高村光太郎は『智恵子抄』や『道程』などを書いた詩人でもあった訳ですが、レンギョウの花を大変好んだということです。その光太郎は1956年4月2日に亡くなるのですが、葬儀の折、柩の上に日ごろ愛用したビールのコップにレンギョウの花が生けられたということです。この様子を見た光太郎の詩の弟子でもある詩人・作家の佐藤春夫が智恵子の命日を「レモン忌」、そして光太郎の命日をすがすがしい黄色が共通する「レンギョウ忌」とするのがふさわしいと書いたということです。その佐藤春夫は光太郎と千恵子の清純な関係を『小説智恵子抄』として著しています。

○“写真の前に挿した桜の花かげに すずしく光るレモンを今日も置かう”(『智恵子抄』より抜粋引用)

○“僕の前には道はない 僕の後ろには道はできる”(『道程』より抜粋引用)

文・椋 周二