あなたの誕生樹

あなたの誕生樹NO.26

ハナミズキ(花水木)

4月26日

 

 

1912年、米国のハドソン川開発300周年記念式典に、西欧諸国は軍艦を出してお祝いをしましたが、東京市長であった”憲政の父”尾崎行雄は平和と文化の象徴として日本の国花というべき桜の苗木・3000本をアメリカのタフト大統領に贈りました。米国側から称賛され、そのお返しに米国政府は1915年4月26日、アメリカで国民的にも愛されていたハナミズキ(白花)を日本に贈ったということです。このことから、ハナミズキの花言葉は、“返礼”となっています。

ハナミズキは、日本の風土に合っているらしく、全国各地に普及していき、多くの日本人に愛されています。一方、ワシントンDCのポトマック河畔に植えられサクラも土質があったらしく、毎年、見事な花を咲かせサクラの名所になっています。

米国の「ハナミズキの街」といわれたアトランタでは一時、ハナミズキに病気が蔓延して危機的状況になった時に、日本の二子多摩川のハナミズキが逆移入されたという話もあります。

サクラとハナミズキは日米友好のシンボルです。ハナミズキの英名は、この木を煎じて犬の目薬に使われたとのことから「ドッグ・ツリー」と言われています。日本名はアメリカヤマボウシという名前もありますが、花がきれいなミズキ(水木)科の木ということから“花水木”、のいう日本名の方がいいですね。

ちなみに、バレリーナを連想させるような花は実は花ではなく、総苞というという中央部にある花の部分を保護するためのものということです。

小宮和子さんの俳句に「花水木咲き新しき街生まる」というのがあるように、街路樹や庭木としても多く使われるようになって、“花水木”も季語として認められたのでしょう。建売の私の家も、猫の額程の庭に一本植えています。

文:椋 周二