あなたの誕生樹

あなたの誕生樹NO.217

ハゼノキ

11月3日

 

ウルシ科のハゼノキ(櫨)は、東南アジア、東アジアの原産の落葉小高木で、

ロウソクノキとも呼ばれているようにその実は和蠟燭の原料にもなっています。

江戸時代に琉球から持ち込まれたこともあってリュウキュウウルシとも呼ばれています。西日本の諸藩では木蝋(もくろう)をとるために盛んに栽培されて、自生化も多くあったといわれています。

秋の紅葉はことのほか鮮やかで、俳句の季語にも「櫨紅葉(はぜもみじ)」というのがあり、「櫨紅葉築山に日の移りたり」(山口重)はこの特徴を詠んだのでしょうか。

同じ仲間のウルシも「漆紅葉(うるしもみじ)」というのが季語になっていますが、ハゼノキの方が木としても小さく、葉が長く尖っています。

詩人・サトウハチロウは、1954(昭和29)年、東京・文京区の自宅の窓の外のハゼノキの葉が見事に紅葉するのを見て、童謡『小さい秋みつけた』の詩を作りました。三番の「はぜの葉あかくて 入日色」とうたわれているように真っ赤な夕焼け色だったのでしょう。この童謡は翌年の11月3日に開催されたNHKの「秋の祭典」で発表されました。

また、天皇陛下がお召になられる黄櫨染御袍(こうろぜんのごほう)はこのハゼノキの木材(黄色)から作られた染料で染められています。