あなたの誕生樹

あなたの誕生樹NO.17

サトザクラ

4月17日

 

サトザクラ(里桜)は、広い意味ではいわゆるサクラの栽培品種のことですが、狭い意味ではオオシマザクラを母体に生まれたと考えられるサクラの栽培品種のグループといわれています。この日の誕生樹のサトザクラは、後者の方です。一般的に、花の時期が遅く4月の中旬から下旬で、八重などのぽっちゃりとした感じの花が多く見られます。

サトザクラで有名な京都仁和寺の「御室の桜」は、背丈は低く、白色の大輪半八重の花が身近にあって、なんともいえない美しく、香りも楽しめます。そんな桜をお多福にたとえて、「わたしゃお多福御室の桜はなは低とも人は好く」という囃し言葉もあって面白いですね。

この「御室の桜」を代々、世話をしている桜守・佐野藤右衛門さんも有名です。

「御室の桜」が満開になる頃、仁和寺の境内は春爛漫の風情が漂い、まさに蕪村の「ねぶたさの春は御室の花よりぞ」の世界です。

文:椋 周二