あなたの誕生樹

あなたの誕生樹NO.19

カワヤナギ

4月19日

 

 

現在は飛騨市ですが、飛騨高山の近くに古川という小さな町があります。宮川という川から分水した瀬戸川という小さな川が街中を流れ、飛騨の匠が精魂を込めて造る住宅が建ち並ぶ落ち着いた風情のある町です。

この飛騨の匠がつくる住宅には軒下を支える「雲(くも)」という装飾があるのですが、それぞれ大工さんが自分の作り上げた住宅に対する愛着と誇りを表す独自のデザインとなっています。ですから、どこの大工さんが作ったかはすぐわかるそうです。

その古川で毎年4月19日、「起し太鼓」という勇壮な祭りが行われますが、その主役の若衆は白いハチマキを巻き、白い締め込み姿の男二人が太鼓の上で白いヤナギのバチを振り下ろすわけです。思わずカッコイイ!と思わずにはいられません。そうした山車が飛騨の匠が誇りを持って作った住宅の並ぶ狭い街中を練り歩く「起こし太鼓」は、日本一美しい祭りではないでしょうか。その年、選ばれた若衆は自分でヤナギの生木からバチを作るそうです。

文:椋 周二