NO.21
アズマシャクナゲ
4月21日
ヒマラヤ原産のシャクナゲはネパールの国の花にもなっていますが、ヨーロッパをはじめとする世界各国で親しまれており、日本では10種類以上のシャクナゲが自生しているとのことです。この木の属名は「ロードデンドロン」と呼ばれますが、これはギリシャ語で、ロードは薔薇を意味し、デンドロンは木を意味しているとのことです。
中国ではボタンが「花王」と呼ばれていますが、それに対してシャクナゲは「花木の女王」と呼ばれていますが、繊細な花の美しさはまた格別で、成程、「女王」かと思わずにはいられません。
国内では「女人高野」とも呼ばれる奈良・室生寺のシャクナゲが有名で、境内には3000本のアズマシャクナゲ(東石楠花)が植えられています。そういえば室生寺の五重塔も有名ですが、その姿はどちらかと言えば優美で女性的です。
その室生寺のシャクナゲが植えられたのは、昭和初期と意外と新しいものです。これは近隣の人たちが「石楠花講」を組み、自生していた石楠花を移植したのだということです。その室生寺で4月21日、弘法大師の供養の儀式があるとき、石楠花は見頃になるといいます。
〇 石楠花に躍りゆく瀬や室生川(水原秋櫻子)
文:椋 周二