食のこばなし

カブ

NO.109

多彩な色・形のカブ

カブはアブラナ科アブラナ属で、80種ほどあるといわれています。ダイコン、野沢菜、ワサビなどの仲間ですが、カブはその中の本家ともいえます。原産地は中国説とヨーロッパ説がありますが、日本へは中国から縄文時代に伝来されたようで、古くから栽培されています。

日本のカブは地域によって、多様な種類があります。関西の白い聖護院カブ、青首の近江カブ、北九州、東北、北陸のカブナ、長カブ、日野菜、津田カブ、北海道の赤い大野紅カブなどがあります。

一般に知られている代表的な品種は、ヨーロッパ系であり東京で生まれた小カブです。外国品種には、皮が黄色で肉が白いものもあります。

カブはサラダの材料になったり、浅漬けや酢の物など生で食べたり、味噌汁の具、煮物、蒸し物のように、加熱しても美味しく、そして漬物にも向いています。ダイコンに比べ辛味や青臭さがないやさしい味なので、シチュウ、クリーム煮や、タイなどの白身魚との組み合わせで、カブの上品な味わいが引き出せます。火の通りもよく網焼きにすると甘みが出ます。

 

消化を助ける機能性野菜

カブの成分には、健康強化を期待できるものが色々あります。アジスターゼやアミラーゼという消化酵素が含まれ、消化不良などの予防効果がある機能性野菜です。

ガン抑制効果が期待できる辛味成分イソチオシアネート、スルフォラファン、ビタミンC、食物繊維、カリウムなども含みます。カブ特有のぬめりは、ペクチン含有が多いためです。

カブの葉の部分はカロテン、ビタミンB1とC、カルシウム、カリウム、鉄、亜鉛などを含み本体より栄養価に富んでいます。

春の七草でスズナと呼ばれるカブの葉はビタミン、ミネラルが豊富で、利尿効果があり、胃を刺激しない食べ物として昔から利用されてきました。

新鮮な葉は、味噌汁の具やお浸し、胡麻和え、油揚げと炒め物にすると会います。ぬか漬けにするときは、葉も一緒に漬け、刻んで添えるようにすると根にない栄養分も摂取できます。

カブの葉には、カルシウムが豊富に含まれています。野菜のカルシウム含有量は1位がパセリ、2位がダイコンの葉とモロヘイヤで100g中260mg、3位のカブの葉は250mg(カブの根には24mg)で、トップクラスです。

カルシウム摂取率は低いので、ビタミンD(きのこ類など)やマグネシウムを多く含む食品(海藻類、種実類)と一緒に摂取すると、吸収率が高まり、骨粗鬆症の予防に役立ちます。

 

日本各地のカブの漬け物

カブの選び方は、根が白く皮全体に光沢があり、硬くしまって傷がなく、葉は緑色が濃くみずみずしい茎が真っ直ぐな物が良品です。

保存は、葉に水分を霧吹きで与えてから、根と葉を切り分け、葉は濡らした新聞紙などに包んでポリ袋に入れ、冷蔵庫に保存します。

野菜を漬物にして、美味しく保存する工夫は、世界中にあります。ヨーロッパのピクルスやザワークラウト、韓国のキムチ、中国の泡菜(パオツァイ)などですが、日本にも、古くからその土地特有の漬物があります。

京都の「聖護院カブの千枚漬け」、長野の「野沢菜漬け」愛媛の「緋のかぶら漬け」などが有名です。

京都中心に栽培されている聖護院カブは、根が白くカブの中で最も大きな品種です。葉が大きく、産毛のような毛は生えていません。聖護院カブは漬物などの加工品のほか、煮物にも適しています。長野に代表される野沢菜は、カブの一種です。葉と茎を漬物とした野沢菜漬けは、寒冷な環境で製造されるため、発酵が抑えられて、あっさりした味わいが好まれています。

緋のかぶら漬けは、愛知の赤カブを橙の酢で漬け込みます。熟成すると周囲ばかりでなく、カブの白い肉質全体が赤く漬かります。鮮やかなカブに含まれるアントシアニンの赤い色素は抗酸化作用が含まれ、生活習慣病の予防になり目、肝臓の機能向上に役立ちます。

カブは1年中出回っていますが、旬は春と晩秋から冬です。

文:ばばれんせい 絵:すなみゆか

 

都道府県ランキング
都道府県 収穫量
千葉県 27,400t 26.1
埼玉県 16,300t 15.5
青森県 5,740t 5.5
滋賀県 4,370t 4.2
京都府 4,410t 4.2
福岡県 3,540t 3.4
北海道 3,430t 3.3
岐阜県 3,130t 3
山形県 3,150t 3
新潟県 3,060t 2.9
愛知県 2,380t 2.3
神奈川県 2,110t 2
東京都 1,850t 1.8
茨城県 1,770t 1.7
徳島県 1,800t 1.7
福島県 1,680t 1.6
栃木県 1,330t 1.3
島根県 1,330t 1.3
三重県 1,370t 1.3
富山県 1,230t 1.2
広島県 1,000t 1
静岡県 1,020t 1
石川県 948t 0.9
兵庫県 991t 0.9
山口県 801t 0.8
鳥取県 870t 0.8
秋田県 686t 0.7
福井県 730t 0.7
群馬県 744t 0.7
岩手県 623t 0.6
愛媛県 624t 0.6
長崎県 483t 0.5
長野県 517t 0.5
奈良県 524t 0.5
岡山県 430t 0.4
宮城県 459t 0.4
高知県 276t 0.3
熊本県 315t 0.3
大分県 336t 0.3
宮崎県 352t 0.3
鹿児島県 196t 0.2
大阪府 199t 0.2
香川県 210t 0.2
佐賀県 112t 0.1
和歌山県 131t 0.1
山梨県 85t 0.1
沖縄県 15t 0
出典:地域の入れ物

カテゴリ

βカロチン あげもの あずき あんころ餅 うなぎ うめ おかゆ おでん お正月 お祝い お茶 きのこ くだもの こんぶ ごぼう さといも すし そうめん そば たけのこ たまご たら 魚 たんぱく質 だいこん ちくわ ちらし寿司 つくだに つみれ とうきび とうふ とうもろこし なれずし はんぺん ふぐ ぶり めでたい もち もも やぶきた茶 りんご アイスクリーム アサリ アジ アジのタタキ アジスターゼ アスコルピナーゼ アスパラ アスパラガス アボカド アミノ酸 アミラーゼ アユ アリシン アルコール アワビ アントシアニン イカ、ヤリイカ、スルメイカ、軟体動物 イソチオシアネート イタリア イチゴ イナゴ イワシ インゲン エダマメ エビ エリー・メチニコフ オクラ オリーブ オリーブオイル オレンジ カキ カツオ カツサンド カツレツ カブ カボス カボチャ カレー カレーライス カレー粉 ガーリック キウイ キムチ キムチ鍋 キャベツ クリ グリーン グリーンピース コロッケ コンニャク ゴルゴンゾーラ ゴールド サクランボ サツマイモ サラダ サンドイッチ サンマ シイタケ シジミ シソ シメジ ジャガイモ ジュンサイ スイカ スダチ スティルトン スナップエンドウ スパイス スパゲッティ スルフォラファン セリ科 セロリ ソラマメ ソーセージ タイ タウリン タクワン タコ タマネギ ターキー ダイズ チーズ ツタンカーメン デザート トコロテン トマト トンカツ ドジョウ ナシ ナス ナズナ ニシン ニンジン ニンニク ネギ ハチの子 ハマグリ ハヤシライス バナナ パスタ ビタミン ビタミンA ビタミンB12 ビタミンB群 ビタミンC ビタミンP ビタミンP(フラボノイド) ビール ピンク ピーマン フキ フルーツ フルーツサンド ブドウ ブルーチーズ ブルーベリー ヘイワード ベータ・カロチン ホットドック ポークカツレツ マカロニ マクワウリ マロン ミカン ミョウガ ミルク メロン ユズ ヨーグルト ライスカレー リコピン ルチン レタス レンコン ロックフォール ワカメ ワサビ 七面鳥 下仁田ネギ 下関 丸善 乳酸菌 二十世紀なし 二日酔い 伊藤博文 佃煮 南国 厄除け 味噌 和食 善玉菌 圃場 土用 土用の丑の日 夏野菜 夕張メロン 大和 大根 大豆 奈良 学校給食 学校給食レシピ 寒天 寿司 小魚煮 山菜 山葵 干しシイタケ 徳川家康 慶事 揚げ物 握り寿司 新潟県 新茶 早矢仕有的 昆布 春野菜 松前船 果物 枝豆 柑橘 栄養教諭 根菜 桃太郎 梅仕事 横須賀 歴史 水餃子 沢庵 河豚 洋食レストラン 海、 海のミルク 海藻 淡水魚 滋養強壮 漬物 瀬田シジミ 焼き餃子 煉瓦亭 熨斗紙 牛乳 牡蠣 物忘れ 番茶 疲労回復 発酵 白ネギ 石垣いちご 紀伊国屋文左衛門 納豆 紫エンドウ 緑色 緑茶 緑黄色野菜 羅臼昆布 老化防止 肉じゃが 肝臓の薬 腸内環境 茄子 茗荷谷 茶がゆ 茶色 菜の花 萌黄色 葉ネギ 葉野菜 血中コレステロール 西洋のカツオ節 西洋料理 豆腐 豊臣秀吉 豚肉 赤飯 郷土食 酢飯 醤油 野菜 隠元和尚 青魚 韓国 風邪の予防 食文化 食材 食物繊維 香味野菜 高級食材 魚、サケ、 魚介 鶏肉 黄色