Blog食育交歓

No.10 青森外ヶ浜町給食センターの食育活動と世界遺産登録記念の集いで、給食甲子園メニュー「風太鼓汁」お披露目

「食べて学んで元気印」

~学校給食リレー報告~

ここでは全国の学校給食関係者、教員、保護者、生産者、行政関係者、児童・生徒、学生、大会サポート企業・団体からリレーで学校給食・食育をテーマに自由に報告をしていただくコーナーです。全国から届くわくわく「元気印」をお届けいたします。

第10回は青森県外ヶ浜町給食センターの栄養教諭・長沼裕美子先生から届いた元気印です。

 

No.10「外ヶ浜町給食センターの食育活動と世界遺産登録記念の集いで、給食甲子園メニュー「風太鼓汁」が、お披露目されました」

青森県 外ヶ浜町給食センター栄養教諭 長沼裕美子

 

 

津軽半島最北端の町 青森県外ヶ浜町からこんにちは

外ヶ浜町給食センターは、昨年12月第15回全国学校給食甲子園大会で、優勝(株式会社日本一賞)することができました。この栄誉ある優勝に、学校関係者のみならず、町民の皆さんに喜んでいただけたことは、栄養教諭として最大の喜びとなりました。

 

そして、今年7月、外ヶ浜町にある大平山元遺跡を含む「北海道・北東北縄文遺跡群」の世界遺産登録が決定しました。大平山元遺跡からは、今から15,000年前の縄文時代初期に人々が食べ物を煮炊きしていた土器が発見されています。このことからも外ヶ浜町の「食」が注目されており、今、青森県で一番熱い町として盛り上がりを見せているところです。

 

 

 

 

外ヶ浜町は、向かって左側が三厩(みんまや)小・中学校学区、右側が蟹田小・中学校学区に分かれている町です。

 

では、外ヶ浜町蟹田地区にある蟹田中学校の職場見学・職業体験を紹介します。この学習は、職場見学・職場体験をすることを通して、産業構造を含む社会のしくみを学ぶこと、自分たちが住む地域の産業を知り、郷土に対する愛着や誇りを培うこと、そしてさらには郷土を発信しようとする意欲の高揚を図ることを目的としています。

第1学年では、地元の第一次産業を中心に体験させ、社会の産業構造の概略を学ばせるとともに、郷土への愛着と誇りを育てることを目的としています。その中で、農業・水産業の体験学習を紹介します。なお、蟹田中学校の1年生は、昨年、蟹田小学校の6年生として、給食甲子園応援動画に参加してくれた子供たちです。

 

《にんにく収穫体験》

農業グループは6人。農園に到着すると、プーンとにんにくのいい香りが漂っていました。トラクターで掘り起こしたにんにくの土を落とし、収穫・運搬するのが生徒の仕事です。暑さの中、汗を拭きながら、黙々と真面目に取り組む生徒たち。農家の方々の苦労をしみじみと感じたようです。この農園では、にんにくの他に、にんじん、長ねぎを育てていることなど、お聞きしました。

 

 

《ホタテ漁体験》

水産業グループも6人。ホタテの養殖現場です。ライフジャケットを着用し、漁船に乗り込み颯爽と海へ。陸奥湾ホタテは養殖が主流です。船からホタテが養殖されている丸篭を引き上げます。海から戻り、ホタテの洗浄を終え、昼食後は住宅へ伺い、ホタテ養殖の歴史やその方法についてDVDで学びを深めました。外ヶ浜産のホタテは、海流の荒さがプリプリとした食感を作るということでした。最後に採苗篭の作り方を実践して終了です。

 

 

生徒たちはこのあと、振り返りとして個人新聞を作成し、10月の文化祭で発表をすることになります。どんな新聞ができるか楽しみです。

 

 

《お兄さんお姉さんからおしえてもらったよ。豆つかみ大会》

次に、外ヶ浜町三厩地区の三厩小学校の「豆つかみ大会」を紹介します。

これは、箸の正しい持ち方について楽しく学ぼうと、毎年行われているものです。

高学年のお兄さん・お姉さんから箸の持ち方を教えてもらったあと、1分間に何個の大豆をお皿に移し替えることができるか、さあ競争です。

ALTのジャクリーン先生も参加!最後は賞状をもらって満面の笑み。

三厩小学校の児童の皆さんが、じょうずな箸の持ち方で食べるのは、きっとこの楽しい「豆つかみ大会」のおかげですね。

 

 

コロナ禍で、黙食が定着し、給食時間の指導等、難しいところもありますが、それぞれの学校で着実に「食」に関わる学びが実践されています。栄養教諭として、各学校と連携を取りながら、できるだけ学校行事にも参加し、さらに関わりを深めていきたいと考えています。

 

 

最後に・・・

8月28日、大平山元遺跡の世界文化遺産登録を祝う集いが開かれました。集いは、給食甲子園メニュー「風太鼓汁」のモチーフとなった、蟹田中学校全校生徒による地元の伝統芸能・風太鼓の演奏でスタート。住民・関係者のみなさんで、世界の宝となった喜びをかみしめ、今後の遺跡整備や保存活用への思いを新たにしました。参加された方々には、お持ち帰り容器に入った「風太鼓汁」がふるまわれました。

 

新型コロナウイルスの感染拡大が落ち着いた時には、北海道・北東北縄文遺跡群17遺跡の中で最も古いこの「大平山元遺跡」に、ぜひいらしてください。その頃には、町内施設において、風太鼓汁をはじめ「学校給食甲子園メニュー」を召し上がっていただくこともできると思います。皆様、お待ちしています。!!

2021.8.28大平山元遺跡世界遺産登録記念の集い「蟹中風太鼓」 – YouTube