Blog食育交歓

食べて学んで元気印~学校給食リレー報告~No.7

「食べて学んで元気印」

~学校給食リレー報告~

「食べて学んで元気印」~学校給食リレー報告~がスタートしました。ここでは全国の学校給食関係者、教員、保護者、生産者、行政関係者、児童・生徒、大会サポート企業・団体からリレーで学校給食・食育をテーマに自由に報告をしていただくコーナーです。全国から届くわくわく「元気印」をお届けいたします。

 

第7回は兵庫県養父市学校給食センターのみなさんからの元気印のご紹介です。

 

No.7「おうちでつくろう 学校給食」

~食に関する自己管理能力育成と実践力の向上をめざして~

兵庫県 養父市学校給食センターのみなさん

密着!!どうやって給食ができる?~養父市学校給食センターの一日~YouTubeはこちら

 

1 はじめに

養父市は、兵庫県北部の但馬地域の中央に位置し、県最高峰「氷ノ山」を始めとする緑豊かな山々、清らかな水、豊かな土壌があります。この恵まれた自然環境を生かし、米や四季を通じて採れる野菜の栽培、畜産業も行われています。この背景の下、第3次養父市食育推進計画(以下「推進計画」という。)を策定し、「食」でつくる元気な養父市を目指して食育に取り組んでいます。

現在、小学校8校・中学校3校・義務教育学校1校に約1,900食を提供しています。片道約30分を要する受配校もあり、給食管理や給食指導、食育指導等は、3名の栄養教諭等で対応しています。

 

2 取組の経緯

食育を推進するにあたり、第一義的な役割は家庭にあります。しかし、児童生徒が食に関する理解を深め、学校で学んだことを家庭の食事や日常生活で実践することができるようになるためには、学校が家庭・地域との連携を深めていく中で、家庭において食に関する取り組みを充実させることが極めて有効です。

同様に児童生徒の家庭・地域での食育の重要性については、推進計画で、食育推進施策の展開において中心的な取り組みの3つの柱の一つ「子どもの実践力の向上と食育活動」として掲げられています。

実態把握のアンケート結果で、年齢の大きい子どもによる食事作りへの参加率が低いと分析されたことから、その具体的な行動目標は「食事作りのお手伝いをしよう」「食育活動に参加しよう」と設定しています。幼少期からの食育活動においては、成長にあたって心を育む重要な経験であり、単に食育に関する知識だけでなく、お手伝い(食事作りや買い物)など家庭での取り組みを通して、食に関する感謝の気持ちが自然と深まる環境づくりが必要です。

また、進学・就職にあたり、自立した生活を始めることを見据えた食の選択力と実践力は非常に重要であることから、食育は「自立」の準備として機能を果たすため日常的に行う必要性があることも重要視されています。

家庭で調理等を実践する力をつけるために、学校給食から何が発信できるかは重要な要素となります。子どもの実践力と食に関する知識に着目し、学校で学習したことを家庭で振り返ることができる知識を伝え、さらに家庭での実践を促すことを目的に、令和2年度から市のケーブルテレビを活用し、「給食メニューのレシピ紹介」に取り組むことにしました。

 

3 取組の内容

(1)調理動画の内容

学校で学習した内容を家庭で振り返ることができる知識を伝え、食育の視点(「食に関する指導の手引き」より)も意識した学校給食レシピ紹介動画「おうちでつくろう 学校給食」を作成します。その際、推進計画の行動目標にも関連させた内容にし、市全体の食育推進に寄与できるよう工夫をしています。文字にすると分かりにくい部分が生じる紙媒体のレシピではなく、動画を通じて実践を促すことを目指しています。学校での学習と推進計画のどちらの着眼点も常に大切にできるよう事前に別紙内容を検討し、取り組んでいます。

 

(2)役割分担と準備、収録

調理員が作業(調理)を行い、栄養教諭が説明や解説(声)を担当します。

動画と声を同時に収録するため、収録当日までにメニューの試作を行い、手順や分量を確認します。その時、大まかな進行表を作成し、説明や解説のタイミングなども打ち合わせておきます。説明や解説の内容は、わかりやすく、学校での学習に沿った内容になるようにしています。収録当日は、ケーブルテレビの担当者と進行表を基に撮影内容や声のタイミングなどを確認し、カットごとに照明や手元の角度などをあわせながら行います。

 

 

 

 

令和2年11月から開始し、現在6回の収録が放送されました。第1回「第13回全国学校給食甲子園優勝メニュー」「魚のマヨネーズ焼き~朝倉山椒ソース~やぶ野菜の豚汁」

 

 

                                          第6回「かむかむメニュー かつおと大豆の甘辛煮」

 

4 活用事例と成果

(1)PTA活動での活用

受配校のうち、ある小学校で、冬休み期間に行う「PTAふれあい活動」の一環として第1回の動画が活用されました。内容は親子での料理を通して、料理してくださる方や野菜等を作ってくださる方へ感謝する心を育むことを目的にPTAが開催したもので、地元で採れる

お米やみそなど食材の一部を配布し、各家庭で動画を見ながら親子で調理を行う活動でした。  活動内容を報告する「ふれあいシート(親子で記入)」から、充実した活動になったことがよく伝わり、家庭での実践力につながっていることが実感できました。

PTAふれあい委員長は「各家庭で調理の楽しさや大変さ、地元で採れる食材の美味しさなど、色々な発見をするきっかけにしていただけたのではないか。コロナ禍で希薄になりつつある人と人との繋がりの中で、一番基本になる家族との繋がりについて感じてもらえる活動になればありがたい。」と、振り返られました。

調理の実践力だけでなく、親子のふれあいの時間として有効に活用していただくことができ、食育のもつ多様な一面を改めて認識することができました。今後さらに広く活用していただけるような内容の動画を作っていきたいと感じました。(2)学校における「調理実習」での活用

新型コロナウイルス感染症対策の一環で調理実習を実施しなかった中学校家庭科において、調理の方法や食材の特徴などを学習する資料として、第3回の動画が活用されました。学校で学習した内容を家庭において動画を活用して振り返り、実践(調理)することができました。

「知っている栄養教諭が動画に出てくることでまず興味を持つし、実際に調理員の動く手元や作業を見ることができるため、文字や教科書だけでは分かりにくい部分も実践しやすかったのではないか。」と、担当の先生に評価していただきました。

令和2年度は新型コロナウイルス感染症対策もあり、学校での学習(調理実習)も容易に実施できませんでした。その中で、教科の観点や食育の視点をもたせた内容の動画を作成していたことで、学校での学習がまさに家庭で実践できる内容となったことは、コロナ禍における学習の媒体として大きく寄与できた部分と考えます。

5 さいごに

この調理動画作成は、推進計画の課題である①「保護者が子どもの力を正しく理解し、年代にあったお手伝いを実践させる」②「食育について理解を深め、市民が実践できる機会を提供する」③「小学校・中学校・義務教育学校で学習した食育を実生活に活かし、高校生や大学生になっても実践できるよう、家庭と連携した取り組みを行う」という食育活動の一端を担っています。

この取組は、養父市の子どもたちの実践力の向上の手段として家庭で有効活用できること、さらに、学校における食育推進と連携することが可能であり、食に関する指導の相乗効果が期待できることがわかりました。

今後は、食を通じて地域の子どもの健康を守る取り組みになるだけではなく、この動画を通じて、養父市民全体の食育推進及び健康増進に寄与できる内容になるよう取り組んでいきたいと考えています。

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