夏休み第9回食育ワークショップ報告
給食のひみつを体験しよう!
最新の大型調理器を使って、ダイナミックに給食作り
8月4日(火)、東京大田区にある日本調理機本社内にあるテストキッチンで、第9回食育ワークショップが開催されました。日本調理機は学校給食や病院、社員食堂、ホテルなどで使う業務用調理器の企画・設計から、施工、メンテナンスまで一貫して手掛ける会社です。ワークショップでは、実際に学校給食などで使われる大型調理器を使って給食を作り、みんなで試食しました。
指導するのは、「第20回全国学校給食甲子園」で食育授業最優秀賞を受賞した菅田望先生です。菅田先生が勤務する新宿区立西戸山小学校も、同大会で優勝しています。試食の後は、菅田先生による食育の授業も行われました。当日は小4~6年の児童と保護者16組が参加し、夏休みの良い思い出になりました。

給食作りに大活躍、大型機器に興味津々
まずはみんなでホールに集合。菅田先生が自己紹介した後は、日本調理機の社員の方が、給食でよく使われる調理器を説明してくれました。一度に50合のご飯が炊ける釜や、500人分の味噌汁が作れる回転鍋など、スケールの大きさにびっくり。クイズを交えながら、楽しく学びました。

5年生の女子児童のお父さんは、インスタグラムを見て参加しました。「給食を作っているのを見る機会がないので、興味があって参加しました」と話します。6年生男子児童は、普段から給食の動画を見つけては眺めているというほど、給食が大好きです。今回のイベントも自分で探して参加しました。「普段は給食を作っているところを実際に見ることがないので、うれしいです」。
さて、エプロンと三角巾を身につけたらキッチンに移動し、手をよく洗って準備OKです。
個性豊かなハンバーグが勢揃い
調理の前に菅田先生から、本日のメニューが紹介されました。コーンご飯、豆腐ハンバーグの照り焼きソース掛け、枝豆サラダ、ピリ辛豚汁、レモンスカッシュゼリーの5種を作ります。会社の栄養士さんが数人参加し、調理のサポートをしてくれます。
まずは内藤とうがらしで、ピリ辛豚汁に添えるオイルを作ります。「とうがらしは辛いだけでなく、香りもいいんですよ。じっくり炒めて、油に香りを移します」と菅田先生。コーンご飯は、トウモロコシから削り取った粒だけでなく、芯も丸ごと加えます。芯を入れることで、ごはんにコーンの香りが移り甘みが増すのだそうです。レモンスカッシュゼリーは、子どもたちが型に移し替えます。菅田先生が「給食でゼリーが出たことがある?」と訪ねると、「シークワーサーゼリー」「りんごゼリー」などと教えてくれました。

ピリ辛豚汁は具材を炒めたら、昆布と鰹節で取った出汁を加えて、味噌を溶き入れます。子どもたちが70人分の具材を、大きなヘラで力一杯かき混ぜていました。枝豆サラダに使う野菜は、スチームコンベンションで蒸します。 加熱処理することで食中毒などを防ぎ、また野菜のカサも減ってたくさん食べられようになります。

社員の方が「蒸すだけでなく、焼くこともできるんですよ」と、コンベンションの説明をしてくれました。蒸した野菜は冷風をあてて急速に冷やすことで、彩りもよく仕上がりました。

さて、いよいよ主菜のハンバーグ作り。まずは菅田先生がお手本を示します。「火が通るように、厚くしないで均一にしてね。中の空気を抜くために、2~3回手のひらでたたきつけるようにしましょう。最後に火が通りにくい真ん中を、指でへこませます」と、コツを伝授してくれました。1人が4つ担当します。3つはいつも通りの小判型に、残り1つは「好きな形に作っていいよ」と言われて、ハート、ピカチュー、星、四角と個性豊かなハンバーグができあがりました。菅田先生から「みんなとても上手です。お家でもお手伝いしてくださいね」と、声が掛けられました。

ハンバーグもコンベンションで蒸し焼きにします。蒸しながら焼くことで、ふっくらと美味しくなるそうです。焼き上がり時間になると、菅田先生はハンバーグに温度計をさして、中まで火が通っているか確かめています。食中毒を防ぐために大切な工程で、もう少し延長して焼くことになりました。
調理に参加した6年生の女子児童は「衛生管理に、すごく気を使っていることがわかりました」と言います。保護者からも「料理教室はよくありますが、本物の調理器を使って給食を作る体験は初めてなので、面白いですね」と、感想が述べられていました。

目指せ!菅田先生。献立当てクイズにチャレンジ
いよいよご飯も炊き上がり、蓋をあけるとコーンのいい匂いが漂います。ハンバーグも程よい焦げ目がついて、ふっくら美味しそうに焼き上がりました。ホールに戻って、いよいよ待ちに待った試食タイム。子どもたちはお腹がペコペコです。
日本調理機の栄養士のみなさんが配膳バット取り分け、ホールの中央に配置。自分たちで盛り付けるバイキングスタイルです。「いただきます」の挨拶の後に、みんな一緒にいただきました。「コーンご飯がおいしい」「ピリ辛とうがらしが好き」と、みんなの笑顔が美味しさを物語っています。

試食の後は、菅田先生による食育の授業です。学校栄養士の主な仕事が献立作りで、2つの重要なポイントとして「テーマ設定」と「栄養バランス」をあげました。本日の給食テーマは「夏にぴったりのメニュー」です。また栄養バランスを取るために、給食には必ず主食(ご飯、パン、麺)、主菜(肉、魚、卵を使ったメイン料理)、副菜(野菜を使ったサブ料理)をそろえているそうです。

お話の後は、春夏秋冬にふさわしい献立当てクイズにもチャレンジしました。最後に菅田先生から、「牛乳はカルシウムが豊富に含まれているので、夏休みにもお家で牛乳を取ってくださいね」と、説明がありました。会の終わりには子どもたち全員に、チャレンジ参加証が贈られました。

文:教育ジャーナリスト 柿崎明子
写真:福沢史可