entrysheet

第2回は学校給食甲子園OGのかおる先輩が選んだのは、沖縄県の金城実可子先生のアピールシートです。

沖縄県那覇市立松川小学校
学校栄養職員 金城実可子先生
好きな食べもの:イチムドゥチ(沖縄の郷土料理)
休日の過ごし方:食べ歩き、映画鑑賞

献立 アーサとまぐろの炊き込みごはん、牛乳、ぶた肉とパパイヤのしょうゆこうじ炒め、スーネー、おからと美らキャロットケーキ

アピールシートAはとても見やすく、この1枚で先生がこの献立に込めたねらいと工夫がひと目でわかりますね。献立を考えられてから、このアピールシートにまとめるまでに、どれくらいの時間がかかりましたか?(アピールシートをクリックすると大きくなります)

献立が決まるまでは試作を重ねて時間がかかってしまいましたが、その分アピールシートをまとめる時に ねらいと工夫点がはっきりしており、スムーズにまとめることができました。文章をわかりやすく簡潔にまとめることに少し時間がかかり、1日ほどかかりました。
今回の献立は県産食材を多く使用しています。中でも主食である炊き込みご飯に市魚である「まぐろ」を用いることで子どもたちに地元の食材をアピールできるのではないかと思って考えました。また、子どもたちが楽しみにしているデザートに、通常廃棄される「おから」と規格外の「美ら(ちゅら)キャロット」を取り入れたケーキを登場させることで、おいしく食べながらSDGsについて興味を持ち、学びが深まるのではと思いました。

アピールシートBでは、献立のねらいに沿った指導について、文章だけでなくスライドの資料が載せてあることで、指導の内容が伝わり、ワクワクしました。実際の指導の様子をぜひ見てみたいと思うシートになっていて素晴らしいです!実際に指導された時の子どもたちの反応はどうでしたか?

5年生に指導したのですが、真剣に聞いてくれて、授業後は残量も少なくなっています。今までは苦手な料理は一口も食べていなかった子が「残すと環境に悪いから、一口は食べるようにする」と話してくれました。また、家庭でも授業のことを話しているようで、嬉しいです。
また、給食時間に教室を回って地域の食材を紹介すると「SDGsだね」と話してくれます。
残量をお金に換算して説明した時には、自分たちがこんなに捨てていることに驚いて「もったいない」という声が聞こえました。

美らキャロットとおからの廃棄についての説明が、具体的で子どもにもわかりやすく、先生の立てられた「自分事としてとらえさせる」という目標に沿ったものになっていて素敵だと思いました。生産者の方々から、どのようにして聞き取りをされたのか、ぜひ教えていただきたいです。

直接生産者からのお話は聞けてはいないのですが、人参の加工業者さんから、生産者さんが困っているというお話を聞きました。
加工業者さんが、県内のどこの調理場でも美らキャロットが使えるようにと、ペースト状に加工してくれているため、大型調理場でも美らキャロットの使用が可能となり、ケーキ以外にも、スープやジャムなどに調理して多くの学校へ提供されています。
子どもたちも規格外の野菜の存在に気付いてくれて、規格外野菜を使用することで生産者も喜び、環境にも良いということを学んでくれました。

金城先生のお話を伺い、地元への深い愛情と、それを給食の献立を通して子どもたちにどう伝えていくかに日々取り組まれていることがよく理解できました。また、その過程を楽しみながら進めておられる様子が目に浮かびます。
生産者と子どもたち、そして先生方を繋げるために行われている数々の食育活動は、同じ志を持つ栄養教諭や学校栄養職員にとって大きな道標となると思います。

次回はゆみ先輩が選んだ岩手県遠野市学校給食センター・栄養教諭 平野沙紀先生のアピールシートです。