第8回は給食甲子園OGかおる先輩が選んだ徳島県の勝本美咲先生のアピールシートです。
徳島県那賀町学校給食センター(4月から徳島市立津田小学校)
学校栄養職員 勝本美咲先生
好きな食べもの:チョコレート
休日の過ごし方:ウォーキング(山歩き)
アピールポイントAでは、鹿肉の栄養成分が載っていて、説得力のあるものになっていますね。栄養価のことを伝えるのはとても大切なことだと思います。また、木頭(きとう)ゆずの説明では、その特徴を気候の特性と合わせて述べられていて、「なるほど!」と納得できるものになっているところに惹かれました。(アピールシートをクリックすると大きくなります)
鉄分の充足はとても難しく献立作成でも苦労していますが、鹿肉は鉄分が高いので、子どもたちに「鹿肉を食べることでしっかり鉄分がとれるんだよ。」という理由づけにもなると思い、アピールポイントにしました。
自分たちの住む地域の特産物を知ってもらう上で、気候の特徴についても伝えることが大切だと考え、指導に取り入れています。
子どもたちに伝えたいことがはっきりしているからこその、アピールポイントAなのですね。
次に、アピールポイントBでは、掲示物の素晴らしさに目を奪われました。わかりやすく、また触れてみることができる掲示物は、子どもたちに大人気でしょうね。地図もとても見やすくて徳島県全体の地場産物が一目瞭然ですね!
また、食育動画の一部を載せてあることで、どのように指導されたのかがよくわかります。センター給食でも、すべての配送校で視聴できるようにされているという取り組みも素敵です。このような動画は各校にどのようにお送りしていますか?
掲示物は1年を通して、テーマを決めて作成しています。今回のものは、「徳島県の地場産物について知ろう」というテーマで作ったもので、月別になっていて、めくるとその月に紹介した食べものについて書いてあります。右横の掲示物には、詳しい説明やクイズが載せてあり、毎月交換していくようにしています。子どもたちもめくりながら、振り返っているようです。地図を載せることで「徳島県のどの地域の食材かな?」など、地図を見る力もつけてほしいと思って作っています。
この掲示物は、配送校の4校すべての分を作成していて、年度初めの食育部会で、各校の担当の先生に今年度のテーマなどをお話して、掲示の依頼もしています。
動画は月1本くらいは作っていて、出来上がったら各校の食育担当の先生に連絡して、CDやTeamsなどを使ってお送りしています。
ジビエ料理が給食に使われることは増えてきたように思いますが、ミンチ肉を使って、麻婆豆腐にする、という発想がとても目新しく感じました。子どもたちにも食べやすく、人気でしょうね。この献立にしようと思ったきっかけやヒントをぜひ教えていただきたいです。
ジビエ肉を使うようになったのは、徳島県がジビエを給食に取り入れる事業をやっていたことです。その試食会でミンチ肉を使ったコロッケがあって、自分自身はジビエ肉が苦手だったのですが、「ミンチ肉なら臭みがなくて食べられるかも」と思ったのがきっかけです。ジビエ肉を食べたことがある子も初めての子も「鹿肉イヤだ。」という気持ちを作らないようにと思い、食べやすそうなミンチ肉から始めてみました。
それから、鹿肉を提供するときは「ジビエ肉はこのような食べ方がいいよ。」等の動画を流したりしていたこともあって、子どもたちが「鹿肉の給食の日は楽しい」という気持ちになってくれたようで、「好き」というところから入れたのがよかったかなと思っています。
学校給食に携わってまだ5年。給食甲子園にも毎回応募され、県代表にも選ばれている勝本先生に、最後、こんな質問をしてみました。
「勝本先生にとって給食甲子園とは?」そのお答えは
「やってきたことが、間違っていなかったのを確かめる場所」
という素敵なお言葉でした。
毎日毎日、子どもたちに学校給食の素晴らしさや食の大切さをいかに伝えるかに取り組んでおられる皆さんの背中を押してくださるひと言だと思いました。皆さんもこの夏「給食甲子園応募」という1歩を踏み出してみませんか?
次回(最終回)はゆみ先輩が選んだ北海道美唄市学校給食センター・栄養教諭 松本夕子先生のアピールシートです。