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大分県別府市学校給食センター
栄養教諭 和田英里子先生 
好きなたべもの:餃子                             休日の過ごし方:美味しいものを食べる
応募献立:別府棚田ごはん、 牛乳、 カボスとり天 別府湾ちりめんと小松菜の金ごま和え、 血の池地獄鍋

第22回は給食OGひろみ先輩が選んだ大分県の和田英里子先生のアピールシートです。

アピールポイントAの、冒頭「別府は、温泉だけじゃないぞ!給食」は、インパクトがあり、地元食材にも目を向けて欲しいという強い思いが感じられます。作成時に、気を付けたことはありますか。

作成時に、昨年度の当ホームページの「みんなに伝えたいアピールシート」を閲覧しました。写真や文字のフォント、色使いなどに自由度があり、オリジナリティを表現してよいことが分かったので、強調したい部分とのメリハリがつくように工夫しました。特に、小松菜の「緑」と血の池地獄鍋の「赤」を印象的に伝えたかったため、写真はこの2枚に厳選しました。

なるほど、「緑」と「赤」のコントラストが鮮明ですね。特に、小松菜の写真は、土から生えている様子が分かり、生命力を感じますが、どうやって撮られたのですか。

基本的にすべてiPhoneで撮影しています。同じ被写体でも撮影する角度を変えながら何枚も撮り、その中から一番伝わる写真を選ぶようにしています。

だからこそ、貴重な1枚が撮れるのですね。冒頭のタイトルの由来を教えてください。また、「大分県ってすごいやん!美味しいものいっぱいあるじゃん給食」などネーミングが魅力的です。

別府といえば温泉や観光というイメージが強く、私自身もそう思っていました。子どもたちが住んでいる地域や学校の周りにも田畑はあまり見かけません。しかし、赴任後に別府市のことを知る中で、地元で作られた農産物が給食に数多く活用されていることを知り、とても驚きました。給食の時間に子どもたちへ「今日使っている食材は別府産です」と伝えると、「えーっ!すごい!」という反応が返ってきます。米や野菜など、実は身近な地域で多くの食材が作られていることを知ってほしいという思いから『別府は温泉だけじゃないぞ!給食』というタイトルが生まれました。

まず、先生ご自身の、驚きや感動が反映されているのですね。他のネーミングについても、お話頂けますか。

給食の時間に5年生の教室を訪問した際、最初に「今日の給食は大分〇〇給食です」とだけテレビに表示し、子どもたちに〇〇の部分を予想させました。その後、「今日の給食は『大分県ってすごいやん!美味しいものいっぱいあるじゃん給食』です」と紹介すると、子どもたちは興味をもって聞いてくれます。実際の献立表にはここまで長い名称は掲載できないため、「地産地消給食」としていますが、あえて親しみやすいネーミングを使っています。

子どもの声から生まれたような親しみやすいネーミングと献立表に掲載する献立名と上手く使い分けられていますね。次に、アピールポイントBにもいくつか写真の掲載があり、自分で足を運んで取材をされたのでしょうか。

はい。取材では、野菜そのものだけでなく、畑がどのような環境にあるのかも伝えたいと考えています。そのため、畑に向かう道や周辺の風景も含めて撮影しています。また、生産者の方への取材では、まずしっかり話を聞くことを大切にしています。生産者の方が話しやすい雰囲気づくりを心掛けることで、自然な表情や笑顔を引き出すことができ、より魅力的な写真や取材内容につながると感じています。

そうですね。先生のひと言で取材される方の緊張もほぐれるのでしょう。
お話を聞いていて、撮影の仕方や内容などセンスの良さを感じますが、何か自分磨きをされていますか。

YouTubeやドキュメンタリー番組などもよく視聴し、内容だけでなく、映像の構成や見せ方なども参考にしながら、自分の資料や動画づくりに取り入れています。

私たち栄養教諭は、『いかに伝えるか、どう見せるか。』といった技を身に付けることも必要ですね。さて、アピールポイントBで、工夫されたことはありますか。

子どもたちは給食を食べながら視聴するため、情報を詰め込みすぎないことを意識しています。その上で、記憶に残るよう、写真や文字はできるだけシンプルにまとめています。

文字が大きく字数も少ない。写真が大きい。これらは、よりよく伝えるために大事なことですね。それでは、次に献立や動画を各教室へ配信する方法をご紹介ください。

動画は主にKeynoteでスライドを作成し動画編集アプリで動画にし、YouTubeを活用して配信しています。QRコードを記載した食育資料を配布し、担任の先生がiPadで読み取り、各教室のテレビモニターで視聴してもらっています。また、Googleのアンケート機能を活用し、児童生徒や先生方から感想やメッセージを給食センターへ送れるようにしているので、動画の感想などもすぐ確認することができます。子どもたちから送られてきたコメントの一部は、給食だよりにも掲載しています。

ICT機器を上手く活用されていて参考になります。食に関する指導では、まず、取材に始まり、給食の時間に放映し、その後お便り「こめっぷ通信」で結ぶという一連の流れが出来上がっています。しかも、そのお便りは、その日のうちに発行されていることに驚かされます。最後の質問です。約7,800食の大規模センターでのご苦労や日々実践されていることがあれば、お聞かせください。

別府市では「手作りで日本一おいしい給食」を目指しています。約7,800食を提供する大規模な給食センターですが、既製品は使用せず、煮魚、魚のフライ、ハンバーグなども手作りで提供しています。手作り給食実現のため、配送校を3グループに分け、1日に3献立を調理・配送しています。そのため、同じ献立を複数回に分けて実施しており、地元産の小松菜を使用する場合でも、すべての実施日に十分な量を確保することが難しいことがあります。そのような制約がある中でも、提供方法を工夫しながら試作を重ね、新しいメニュー作りにも挑戦しています。

大規模だからできないと端から諦めるのではなく、安全・衛生に留意し提供するために、どうすればできるのか、どこまでならできるのかを常に考え取り組まれているのですね。

実は明日、学校行事の関係で食数が通常より約2,000食と少なくなるので、手作り春巻きを作ります。献立名は「手作り春巻き」としましたが、給食センター一丸となって春巻き作りに取り組むため、給食センター内では「ド根性春巻き」とか「全力春巻き」の方が、私たちの思いが伝わるのではないかと話していたところです。

大変だけど、むしろそれを楽しみながら、チーム一丸となられている様子が伝わります。風通しのよい関係性が保たれているからこそ、「子どもたちのために」という同じ目標に向かって、学校、行政、生産者、調理従事者、栄養教諭等それぞれが、連携・協力できるのだと改めて感じました。

今回が最終回となるこのコーナーでは、第20回大会に応募した13名の先生方へのインタビューをもとに、コラムをお届けしてきました。
「みんなに伝えたいアピールシート」は、5人のOGの先輩方のご協力をいただきながら、第20回大会の応募書類に記載されたアピールシートから、現場で実践されている魅力的な食育活動をご紹介してまいりました。
いよいよ7月1日から、第21回全国学校給食甲子園の応募受付がスタートします。
応募用紙のアピールシートを作成される際には、ぜひ本コラムを参考にしていただければ幸いです。
今年も、全国の栄養教諭・学校栄養職員の先生方からの、たくさんのご応募を心よりお待ちしております。