

第13回は給食甲子園OGゆみ先輩が選んだ香川県の秦和義先生のアピールシートです。
秦先生は、自校生徒の食に関する実態調査の結果から見えてきた課題を、給食献立に反映しているところが素晴らしいと思いました。アピールポイントAでは、まず、秦先生の学校給食が、実態の課題解決に結びつく献立になっているのだという事実紹介から始まっているということ。読み手は、どんな献立を立てているのか知りたくなります。
早速ですが、生徒の実態から食の課題を解決するために考えている献立の配慮を教えてください。(アピールシートをクリックすると大きくなります)
はい、3つあります。一つ目は、野菜をおいしく食べられる副菜の提供、二つ目は、よくかんで食べるかみかみ料理の提供、三つ目は、カルシウム・鉄分の摂取です。
この実態調査は、学校独自の調査なのですか?
いいえ、これは県教育委員会が主体となって執り行っているものです。その調査は嗜好や食生活の調査だけでなく、食事の頻度調査も行っており、そこから食品群で分けられた摂取量が実態として見えてきたので、献立の配慮事項としたわけです。
なるほど、コンセプトをはっきりさせることで、献立も立てやすくなりますし、生徒への指導もしやすくなりますね。
ただ、私の経験からいくと、自校式とはいえ、中学校籍だとなかなか教室に出向いたり、生徒の中に入っていったりするのも難しいと思うのですが、その環境下で何か工夫されていることはありますか。
実際、中学校は小学校と違う時間の流れがあると感じています。そうであっても指導がいきわたるように、各担任が指導できる食育指導資料を作成し、それを給食校内支援システム(ロイロノート)で活用できるようにしています。給食時間に教室を巡回していると担任が電子黒板に映し出しながら説明してくれている姿を目にします。また、私が教室に入り、生徒と一緒に給食を食べるときは、食の話をするなどして、指導しながら生徒との距離を縮めるようにしています。
他教諭と上手く連携し、食に対する生徒の興味関心を高める努力をしているんですね。折角ですから教室で担任が電子黒板を見せながら指導している教室の様子が一枚載っていると、連携している様子が伝わり、アピールポイントBがさらに良くなると思いました。給食時間だけでなく、総合的な学習の時間や技術・家庭科(家庭分野)の中でも郷土料理、地元の食文化、地元の食材と給食を関連させた授業が行われているようですね。他教諭との打合せはどんな風に?
私は、普段、職員室と別の部屋で仕事をしているのですが、ちょいちょい用事を作っては職員室に行っています。忙しい中学校であっても、常に人やもの、ことにアンテナを立てるように心がけています。家庭科教諭は3名おりますが、そのうち一人は教頭先生なんです。結構力になっていただいていまして、心強いです。
それはうらやましい。管理職の理解やお力って大きいです。食の大切さをわかってくださっている方が校内にいらっしゃると、給食や食に関する指導も行いやすくなりますね。でも一番は、秦先生のお人柄ではないかと思います。第20回大会の食育授業コンテスト動画も拝見しました。優秀賞受賞おめでとうございます。あの動画から、先生が生徒に何を伝えたいかもよくわかりましたし、言葉からはもちろん、話されるスピードや使うワードから、先生のお人柄が伝わってきました。応募献立の写真を見てもとってもおいしそう。だからこそ、他教諭との連携も上手に行っているのだと思います。
思春期で多感な年齢の生徒たちですが、一緒に給食を食べる機会を重ねていくと、会話や食べ方からほんの少しですが変容が見えてきたりもするんです。もちろんこれは私一人の力だけではありません。委員会活動の協力や、やはり他教諭の支え、目的を共有しての指導。一緒に子どもたちを育てているという仲間意識。これがあってのことだと思っています。本当に感謝しかありません。
すばらしいですね。最後、ひと言お願いします。
食に関する指導が停滞することが多い中学校ですが、単独調理場である強みを活かした毎日の給食を中心に、効率的にかつ効果的な食に関する指導をしていけるように努力していきたいです。今後も、実態調査をエビデンスとした献立を作成しながら、生徒の食に対する興味関心を高めていきたいと思っています。これからも頑張ります。今日はありがとうございました。
こちらこそ、お忙しいところありがとうございました。
次回はひろみ先輩が選んだ熊本県湯前町学校給食共同調理場・栄養教諭 田代優子先生のアピールシートです。