NO.263
フユイチゴ
12月19日
多くの木苺は夏に実がなりますが、冬の寒い時期に赤い実がなることからフユイチゴ(冬苺)と名付けられたということです。「寒苺」とも呼ばれますが、冬の季語にもなっています。
バラ科の常緑小低木で、せいぜい高さが30センチぐらいで匍匐性の樹木ですから、あまり目立ちません。9月から10月頃に白い花をつけ、冬の時期に実が赤く熟します。子どもの頃、山に入って遊んでいて林床に赤い実を見つけて、食べた記憶があります。
ただ、似たような赤い実をつける多年草のヘビイチゴは春に赤い実をつけますが、こちらは食用にはなりません。
ヤブコウジと同じように、寒い冬に林の中で赤い実を目にするとほっと暖かくなるような気になります。
〇余生なほなすことあらむ冬苺(水原秋櫻子)