あなたの誕生樹

あなたの誕生樹NO.37

ユリノキ

5月7日

ユリノキ(百合の木)は北アメリカ原産の落葉高木ですが、我が国の歴史では、1月20日の誕生樹であるヒカゲツツジを発見した伊藤圭介博士に米国モレー博士からユリノキの種がプレゼントされ、自宅で育てた苗を小石川植物園と新宿御苑に植えたことに始まるとのことです。

その後、これらの木から実生で育てられた苗木が全国に配られ、あちこちで威風堂々とした街路樹となっています。

さてユリノキの花ですが、橙色と緑色が微妙に混じる特徴ある色ですが、その形がユリに似ていることから、ユリノキと名付けられたわけですが、チューリップにも似ていることからチューリップノキとも言われたりするそうです。そしてさらに、葉の形が半纏に似ていることからハンテンボクともいわれ、色々な名前を持つ木です。

我が国でユリノキの生みの父である伊藤圭介はすごい人で、元々医者でありながら植物の分野でも功績が大きく、師事したシーボルトからもらったヅッカーの「日本植物誌」を訳し、何と79歳で東大教授、そして85歳で日本で初めての理学博士になった人です。1888(明治21)年5月7日に伊藤圭介らに博士号が授与されたことから、この日は「博士の日」となっています。

文:椋 周二