NO.275
ユズリハ
12月31日
新しい芽が出てから旧い葉が次々に落ちるという性質のあるユズリハは、円満な親から子への世代交代を意味するとして正月の注連縄や鏡餅の飾りなどの縁起物に使われます。常緑樹はこうした性質があるようですが、ユズリハは特にこの現象が顕著で、新しい芽や葉が出てくると下についている旧い葉は急に垂れてきて、その様子が特徴的です。
冬には葉の付け根の葉柄が赤くなるとともに葉の裏が白くなることから、鶴に見立てられ注連縄に使われます。葉の裏が見えるように飾る方がいいといわれています。
漢字では「譲葉」とか「楪」と書きますが、「親子草」という呼び名もあります。旧い世代から新しい世代へ、旧い年から新しい年へ、ユズリハのように円満に引き継ぎたいものです。
〇楪を箸置きにして祝い膳(大島民郎)