マキは人間にとって古くから有用な木であり、「日本書紀」にも棺の材料にせよ記せられているようです。湿気にも白アリにも強く、沖縄・奄美では高級建材です健在です。

一般的にイヌマキ（犬槙）と呼ばれていますが、これは優れた木材となるホンマキ（コウヤマキ）に一見似ていながら材質が劣ることによるようです。

ふつうは単に「マキ」というとイヌマキをさし、千葉県の県木「マキ」はこのイヌマキを指しています。

ところで、すべての都道府県はそれぞれシンボルツリーを指定しています。そのほとんどは１９７０年の大阪万博の時に、毎日新聞社がみんなの手で郷土の木を選び出そうという「緑のニッポン全国運動」を提唱して、それぞれの地域で選定が行われ、万博記念事業として記念植樹が行われたということです。

一方、２００５年に“愛・地球博”が愛知県で開催されたのですが、その会場となった愛知青少年公園は大阪万博と同じ１９７０年に開園しました。公園内を一周するサイクリングロード沿いには全国都道府県の木が植えられていました。

私も５年間、愛知万博の会場整備に携わりましたが、当初、会場は青少年公園のある長久手町のお隣の瀬戸市で計画されていたところ、計画変更をしてメイン会場が奇しくも全国都道府県の木が植えられていた青少年公園となった訳です。何か因縁めいたものを感じます。

そして２０２５年には再び、大阪で万博が計画されていますが、是非、都道府県の木だけではなく、大阪府下の市町村の木を植えていただき、緑あふれる”夢洲（ゆめしま）”にしていただきたいと思っています。