あなたの誕生樹

あなたの誕生樹NO.246

フユザクラ

12月2日

 

群馬県の三波川(さんばがわ)村(現在は藤岡市)では、明治41(1908)年に公園をつくった時に植えた桜の苗木の中から12月に満開を迎えるサクラが出現し、その後、その桜をふやし続けて、村議会も12月初旬にフユザクラの花の下で開くようになったとのことです。

植物学者の本田正次氏は、この三波川で12月に咲く桜を初めて見出し、フユザクラと名付け、Prunus decembris(12月桜)と学名をつけたとのことです。

サトザクラとマメザクラの交配から生れたという説が有力のようですが、春と冬の年2回、一重の花をつけます。寒さの中で咲く冬の花は地味な感じもしますが、健気でもあります。

日本のサクラは一般的に春に一度咲きますが、春以外にも花を咲かせるものがいくつかあります。ジュウガツザクラ、コブクザクラ、シキザクラなどですが、春前に咲くカンヒザクラなどを含めて咲く桜を“フユザクラ”と呼ぶことがあります。

では何故、春以外の秋から冬にかけて咲くのかについては、日本のサクラの祖先であるといわれているヒマラヤザクラが元々、温暖多湿のヒマラヤ地域では秋咲きであって、いわば先祖返りをしているのではないかという説があるようです。