あなたの誕生樹

あなたの誕生樹NO.69

ビワ

6月8日

 

 

 

冬に花が咲き、逝く年の6月頃、卵型の黄橙色の実をつけるビワ(枇杷)はバラ科の常緑高木で、学名の Eriobotrya japonica からすると日本原産とも考えられますが、中原南西部原産のようで、何回ともなく中国からきて、日本で自生していると考えられるようです。

実の形が楽器の琵琶に似ていることからビワと名付けられたともいいます。

恋多き詩人・北原白秋は子供ができた喜びを「ゆりかごの唄」に表わしました。”ゆりかごのうえにびわの実がゆれるよ・・・”と。

梅雨の頃、ビワの実が八百屋さんの店先に並びますが、有名な「茂木ビワ」は長崎市茂木地区の特産。江戸時代の後期、代官屋敷に行儀見習いに出ていた三浦シオさんが中国人通訳から贈られたビワが美味しく、その実を自宅そばに植えたことからこの地区が美味しいビワの産地になったといわれています。生産量は、この茂木ビワのある長崎県が全国第一で、次が千葉県です。この2県でおよそ全国の半分の生産量とのことです。

果物としては、控えめな清々しい味ですが、種子の部分が大きく、半分ぐらいは種子でしょうか。

冬の11~12月に花が咲きますが、咲く花は茶色の萼に包まれた地味な白い花で、また、木自体も背が高いので目立たないですね。

枇杷(ビワ)自体、夏の梅雨時の季語、枇杷の花は冬の季語となっています。

 

〇 枇杷の実を空からとつてくれしひと(石田郷子)

〇 蜂のみの知る香放ちり枇杷の花(右城暮石)