あなたの誕生樹

あなたの誕生樹NO.195

ハギ

10月12日

 

「萩の花 尾花 葛花 撫子の花 女郎花 また藤袴 朝顔の花」と山上憶良が万葉集で歌っていて、このことから“秋の七草”といわれています。この中で一番目のハギだけが木本、つまり樹木なので(葛花は多年生の草本)、ちょっと違和感があります。ただ、山上憶良は、「秋の野に 咲きたる花を 指折り かき数ふれば 七種の花」という歌をその前に歌っていますので、“秋の七草”ではなく、“秋の七花”が正解ではないでしょうか。昔から日本人に親しまれた花で、万葉集では最も多く歌われた花とのことです。

この中の最初の花であるハギはマメ科の落葉低木で、秋を代表するということから、「萩」という字(日本でつくられた国字)が充てられています。

なかでもヤマハギは全国的に分布し、7月頃から花が咲き始めます。

ハギといえばミヤギノ(宮城野)が歌枕(名所旧跡)として有名ですが、場所的には宮城県の仙台市あたりになり、宮城県(ミヤギノハギ)及び仙台市(ハギ)の花に指定されています。

「一つ家に遊女も寝たり萩と月」と詠んだ松尾芭蕉は1694年10月12日、「旅に病んで夢は枯野をかけ廻る」と辞世の句を詠んで亡くなっています。