あなたの誕生樹

あなたの誕生樹NO.56

チシマザクラ

5月26日

 

沖縄のカンヒザクラから始まる日本の桜前線は、1月の沖縄・寒緋桜から始まり、日本列島を北上し、5月の北海道のチシマザクラで終わります。根室市の清隆寺のチシマザクラ(千島桜)は、日本で一番遅咲きの花見スポットとして有名であり、5月の下旬頃に満開になります。

このチシマサクラは、明治2年に清隆寺の檀家の人がその頃行き来が自由だった国後島から持ち帰りこのお寺に移植しました。植物学者の宮部金吾博士がPrunus nipponica var.kurilensis (千島列島産の日本サクラ)と命名したとのことです。

名前や導入の経緯からもわかるように、北方四島や千島列島に自生する桜で、厳しい自然環境に耐えるため樹高は3~5mと低く、花はピンクから白に変化するようです。

このチシマザクラは、北方領土返還要求運動のシンボルとなっていて、地元・根室市の“木”になっています。

 

文:椋 周二