あなたの誕生樹

あなたの誕生樹NO.46

タビビトノキ

5月16日

 

5月16日は日本旅のペンクラブが定めた「旅の日」なのですが、これは俳聖・松尾芭蕉が1689(元禄2)年5月16日(旧暦3月27日)に「奥の細道」の旅に出たことによるそうです。

“月日は百代の過客にして、行きかふ年もまた旅人なり”という名文から始まる「奥の細道」は、江戸から東北・北陸を回る約150日間、全行程約2400キロの旅で作られた珠玉の俳句の聖典です。

この日の誕生樹のタビビトノキは、多年草ですが、マダガスカル原産のバショウ科タビビトノキ属で日本では植物園の温室で見られるぐらいでしょうか。大きな葉柄の基部に水を貯めていて、斧を当てると水が出てくるそうで、旅人の渇きを癒したといいます。

バナナの木に似た大きな葉が、扇型に広がる姿は特徴的で、松尾芭蕉の俳号の“芭蕉”(バショウ)も同じグループの植物でこの大きな葉が風になびく姿を愛したことから俳号にしたといわれています。

芭蕉の有名な俳句の一つ、「五月雨を集めて早し最上川」の地、山形県鶴岡で作った俳句を恥ずかしながら披露します。

○出羽三水青田廻りて海に入る

 

文:椋 周二