NO.184
スギ
10月1日
素盞鳴尊(スサノオノミコト)の顎鬚(アゴヒゲ)からできた木で、それで船を作ると良いと日本書紀にもでてくるスギは日本を代表する針葉樹です。陽樹であるヒノキ(「日の木」)に対して「月の木」から変化してスギと名付けられたという説もあって面白いです。
成長が早く、“すぐ木”になる、あるいは真直ぐに成長することから「直木(すぐき)」といわれ、スギになったともいわれています。
日本の固有種で、本州北端から屋久島まで分布していて、秋田杉から屋久杉と地域品種が数多くあります。
戦後、“歌のおばさん・安西愛子”の歌う『お山のスギの子』のかけ声とともに戦後、全国的に植林され、今では我が国の植林地の約6割はスギ林といわれています。
雌雄同株で雄花と雌花は同じ木になる訳ですが、風媒花で春先にはスギ花粉が遠くまで飛んできて花粉症の原因になるとか生態系としてよくないとか指摘され、肩身が狭い感があります。
とはいえ、我が国の生活文化と深い関わりがあり、例えば、日本酒の樽材や升はスギが多く、新酒が出来ると造り酒屋ではスギ玉を店先に吊るして「新酒ができましたよ」と知らせる風習がるように、日本酒とスギは切っても切れない関係にあります。ちなみに、10月1日は「日本酒の日」とされているのですが、これは新米が収穫され日本酒造りがスタートすることからだいわれています。