あなたの誕生樹

あなたの誕生樹NO.93

シュロ

7月2日

 

ヤシ科の常緑高木のシュロ(棕櫚)の幹はゴツゴツしていて、暗褐色の固い繊維に覆われています。この繊維を利用して縄や箒などが作られています。

小石川の貧乏な家庭に育った西尾正左衛門はシュロ縄を編む母の姿を見て、靴拭きの玄関マットを考案し、特許をとろうとしたのですが既に登録があり断念したとのことです。その玄関マットの売れ残りを妻が丸めて床を磨いていたことにヒントを得て、「亀の子束子(タワシ)」を発明します。そして西尾正左衛門が1915年7月2日に特許取得したことから、「タワシの日」となりました。この発明・特許の裏には母や妻の力があり、また、ネバーギブアップの探求心があればこそかも知れません。

タワシはその後、ヤシなどの材料を使うものが多くなっていますが、シュロのタワシは耐水性と弾力性に富んだ繊維を生かした製品で、環境にも優しいことから現在も愛用されています。

タワシは食器や靴などの洗浄、掃除用品としては無くてはならないものです。我が家には何個あるかを調べてみたところ、台所のシンクをはじめとして5個ありました。

 

文:椋 周二