あなたの誕生樹

あなたの誕生樹NO.280

シャリンバイ

1月5日

「手織紬愛し着つづけ春浅し」(及川貞)

毎月5日は「大島紬の日」ということですが、毎年1月5日には大島紬祭が開催されるようです。紬は繭からとった絹糸に撚りをかけて強くした糸で織ったもので、その中でも丈夫で長持ちをする大島紬は紬の代表格です。伝統的な大島紬は褐色の独特の色合いですが、その染色にはシャリンバイの木が使われるということから、この日の誕生樹にしました。

その産地の奄美大島の食べ物で独特なものの一つに鶏飯(けいはん)があります。鶏飯は、ご飯に鶏肉や錦糸卵などさまざまな具材をのせ、丸鶏を煮込んで作ったスープを注いで食べる奄美大島の郷土料理で、むしろ具だくさんのお茶漬けのような感じでしょうか。

昔、2年間だったのですが鹿児島県で働いたこともあり、何回か奄美群島に行ったことがあります。奄美群島の人たちは厳しい薩摩藩の圧政に苦しめられていて、藩の役人が来ると色々おもてなしを考えていたようで、その一つに与論献奉がります。これは黒糖焼酎の一気飲みで、本土からの役人に対して島の男性陣が入れ代わり立ち代わり、盃で焼酎を飲み交わしてもてなし、二日酔い状態にさせて翌日は仕事ができないようにするという少し乱暴なおもてなしです。一方の鶏飯は心優しいおもてなしで、二日酔いの状態で食べる鶏飯はまた格別なのかもしれません。今度、奄美大島に行けたら是非、食べてみたいものです。