NO.81
ザクロ
6月20日
イラン原産で、漢字で「安石榴」と書きますが、「安石」はイランのこと。イランのザクロス山脈あたりに多いことから、ザクロと名付けられたのではないかといわれています。
多くの男性の中に女性が一人、目立つ様を表す「紅一点」という言葉は、中国の詩人・王安石が「詠柘榴詩」の中で、“万緑叢中紅一点”と歌ったことから来ているという説があります。自分の名前の中にイランの意味の「安石」があることからザクロに特別の思いがあったのかも知れません。
梅雨の時期、独特な赤い花は特別な雰囲気を醸しだす。花は一重咲きと八重咲があり、八重咲きは実がならないのでハナザクロ、一重咲きはミザクロと呼ばれることもあります。秋に実る果実も特徴的で、実が裂け、多くの種をのぞかせますが、女神の子宮のシンボルとされたり、豊穣を表現するとされていて、多くの国で子孫繁栄のシンボルのようです。
また、澄んだ酸っぱさのあるルビー色の種の果汁には女性ホルモンがあるようで、更年期症状などに効果があるといわれることもあります。
〇 あかあかと一と夜の旅のハナザクロ （石塚右三）
〇 花よりも淡く実ざくろ裂けしかな （長谷川茗草）