あなたの誕生樹

あなたの誕生樹NO.116

サワラ

7月25日

 

日本の固有種であるサワラ(椹)はヒノキ科の針葉樹で、ヒノキより柔らかいが、耐水性に富むことから、桶やお櫃に使われることが多く、身近な存在です。木曽五木の一つです。

高度成長期にダイニング・キッチンを取り入れてモダンな住宅としてサラーリーマンのあこがれの的であった初期の頃の公団住宅には、風呂桶にサワラが使われました。その住宅公団は昭和30(1955)年7月25日に設立されました。

5月25日は、日本うま味調味料協会が定める「うま味調味料の日」です。これは1908年7月25日に池田菊苗博士がグルタミン酸ナトリウムの製法の特許を取得したことに因んでいます。5番目の味覚であるうま味を昆布だしから発見し、“味の素”として商品化につながりました。甘味、酸味、塩味、苦味に続くうま味を感じる受容体が舌にもそして胃にもあることも明らかになった訳です。それは湯豆腐の昆布だしの美味しさを究明した結果だったそうです。湯豆腐といい、昆布だしといい、海に囲まれた我が国ならではの発見です。

1985年の我が国の特許制度100周年の時に、特許庁が「日本の10大発明家」を選んでいますが、池田博士もそのうちの一人になっています。

 

文:椋 周二