あなたの誕生樹

あなたの誕生樹NO.92

サトウカエデ

7月1日

 

サトウカエデの木からとれる樹液には多くのショ糖を含んでいます。甘く、カナダでは3~4月頃に採取した樹液からホット・ケーキになくてはならないメイプル・シロップを作るのが春の風物詩になっているとのことです。一本の木から40リットルぐらいの樹液が採取され、1リットルぐらいのシロップができそうですが、1日の温度差が最も大きい3~4月に樹液が大量に出るというのも不思議な自然現象です。

樹木は一般的に傷つけられるとそこを治癒するために樹液を出わけですが、ゴムノキとか松脂のマツなどはいかにも傷を治癒するためのものかと想像できます。サトウカエデの場合には、木に穴をあけて引っかけるようにしたバケツに貯めるぐらい甘い樹液を出すわけで、治癒するためだけだとは思われません。人間への贈り物なのかもしれません。

学名もAcer(カエデ) sacchrim(砂糖)で、英名はSugar Maple。北米原産の落葉高木で、ケベック州辺りで多くあって、世界のメイプルシロップの生産もほとんどこの辺りとか。

カナダの国の木で、真赤なメープル・リーフは国旗にデザインされています。2005年の愛知万博のカナダ館脇に植えられたサトウカエデは本当に国旗のように真っ赤に紅葉していました。1867年7月1日は、カナダ連邦が成立し、国旗もユニオンジャックからメープル・リーフになりました。

文:椋 周二