あなたの誕生樹

あなたの誕生樹NO.33

コウヤマキ

5月3日

 

 

遣唐使の一員として中国に渡り、我が国に真言宗を伝えた弘法大師・空海は和歌山県・高野山に道場建設が許され、819年5月3日に金剛峰寺の着手したことに因み、5月3日の誕生樹はコウヤマキ(高野槙)としました。高野山では近辺に自生するコウヤマキを仏様に供えるようにした、つまり供花のかわりにしたことから今も、高野山の参道にはコウヤマキが用意されています。

分類上、一科一属一種ともいわれている日本特産の樹木で、「木曽の五木」のひとつにもなっている良質な木材でもあります。

高野山へは一般的には南海電車とケーブルカーを乗り継いで、さらにバスで七堂伽藍の立ち並ぶエリアに到達するのですが、標高800メートルの盆地に広がるこの高野山は、仏に近づく別天地ともいえます。家内と一緒に訪れた時も、多くのヨーロッパ系の外国人の観光客がいたことが驚きでしたが、仏教的別天地を体験してみたいということなのかなと思いました。

杉木立やお墓の立ち並ぶ道のドン付きの奥の院には、今も弘法大師が生きておられるということで、1200年もの間、毎日、2回、食事がお供えされています。必ずしも精進料理ばかりでもなく、パスタなどの西洋料理も供されるということで、世界最長の給食ならぬ“お供食”ですね。

ちなみに、秋篠宮家のご長男・悠仁親王のお印はコウヤマキとされています。

文:椋 周二