あなたの誕生樹

あなたの誕生樹NO.162

クリ

9月9日

 

9月9日は奇数である陽数の最も大きい九が重なる重陽の節句で、我が国ではその時期の花や果実から「菊の節句」あるいは「栗の節句」と呼ばれています。

クリの実は、秋を知らせる味覚であり、涼しくなると「栗ご飯」と秋刀魚(サンマ)の塩焼きが定番になっている家庭も多いのではないでしょうか。

クリはブナ科クリ属に分類されていますが、世界的には大きくいって、シナ栗、ヨーロッパ栗とそして二ホン栗の三種類が有名です。シナ栗の代表的なものは天津甘栗で、渋皮がそんなに渋くなく簡単にはがれるタイプです。ヨーロッパ栗の代表的なものがマロングラッセの材料にもなるフランスのシャテーヌだそうで、二ホン栗と同じく皮をむくのが大変でパウダーにしてお菓子の材料にされます。そして、日本原産の二ホン栗は、学名がCastanea crenata (頭が丸いギザギザのクリ)で、一つのイガイガの中に三つの実ができます。

東京の近郊でも栗林が結構あって、梅雨前の頃に強烈な匂いを漂わせます。同じ株に雌花と雄花をつける雌雄同株で、雄花は白い穂状でこちらが臭いのもとです。枝の根元の方にまさにイガグリ頭のような雌花をつけます。クリは自家不和合性の性質があって、同じ木の中では受粉をせず、他の木の雄花の花粉を虫が運んでくるという虫媒花です。あの強烈な臭いはその虫をおびき寄せるためのものなのでしょうか。