あなたの誕生樹

あなたの誕生樹NO.35

カシワ

5月5日

 

5月5日は端午の節句で、この節句には無くてはならない“柏餅”ということで、この日の誕生樹はカシワ(柏)としました。“柏餅”はカシワの葉で包んだお餅ですが、昔、食べ物を色々な葉に盛っていて、それを“炊飯葉(かしいは)”と呼んでいました。その代表がこの木の葉であったことから「カシワ」と名付けられたといわれています。

ブナ科コナラ属の木だということはあまり知られていませんが、クヌギのようなドングリをつけます。落葉樹なのですが、新らしい葉がでてくるまで古い葉が落ちないことから子孫繁栄につながると、ユズリハとは別の意味での縁起ものともいわれてます。

待て待て、男の子の節句には童謡「せいくらべ」では5月5日には“粽”(ちまき)を食べながら男の子の兄弟が成長を確認し合うとあるではないかと思われる人も多いのではないでしょうか。

そもそも端午の節句の風習は、平安時代ごろ中国から入ってきたもので、人々の信望のあつかった屈原という人の命日(5月5日)に粽をお供えしたことから関西地方で今も受け継がれているようです。その後、江戸時代には“柏餅”や尚武(武を貴ぶ)から菖蒲湯、鯉のぼりなどの特に男の子の元気な成長を願う色々な風習が出来たようです。“柏餅”は関東地方という地域性があるのでしょう。

文:椋 周二