あなたの誕生樹

あなたの誕生樹NO.331

ウメ(白梅)

2月25日

 

2月25日は菅原道真を祀る天満宮で「梅花祭」が開催されることから、この日の誕生樹はウメ(白梅)としました。

道真は菅公として学問の神様としても有名ですが、政争に敗れて大宰府に左遷されたとき、京の都の自邸の紅梅殿で「東風吹かば匂ひ起せよ梅の花主なしとて春な忘れそ」と詠んだことは有名です。そして、太宰に移った後、梅の花が道真を慕って大宰府まで飛んできたという「飛梅」伝説が生まれました。

太宰府天満宮の境内には飛梅が植えられているのですが、白梅です。

あれー、この飛梅は白梅なのか紅梅なのかという疑問がわきます。京都で道真が詠んだのは紅梅殿の梅だし、北野天満宮のご神木で通称・飛梅は「紅和魂梅(べにわこんばい)」という紅梅です。飛んでいく途中で紅梅から白梅になったのだろうかと。

そもそも白梅と紅梅の違いは何なのか、花の色の違いかと思いきや、枝の色の違いだそうです。枝の断面の樹皮の内側辺りが紅いのと白っぽいという違いがあるそうです。開花時期は違う訳ではなく、実は白梅の方が大きく、梅干しとか梅酒などの食材は白梅で、紅梅は樹皮がきれいなこともあって木材に使われるそうです。全国の三分の二の生産量を誇る和歌山県に高級梅干しの南高梅というのがありますが、これも白梅。

道真からすると飛梅は白梅、紅梅のどちらが嬉しいのだろうかと考えて、はるばる慕って飛んできてくれた太宰府天満宮の飛梅の白梅としたというところです。

「白梅や老子無心の旅に住む」(金子兜太)