NO.318
イエライシェン
2月12日
２月１２日の誕生樹はイエライシェン（夜来香）にしていますが、これが山口淑子（李香蘭）に因むことだと分るのはかなりご高齢の方かも知れません。
山口淑子さんは、約１００年前の１９２０年２月１２日に中国・満州で生まれ、中国で俳優・歌手として活躍されていました。終戦の直前に上海で「イエライシェン」の歌を発表され、様々なご苦労の後、日本に帰国され、歌手や国会議員になられた方です。戦後生まれの私はナツメロの番組などでこの歌を聞いたのではないかと思うのです。夜になって遠くから香ってくるイエライシェンを甘く切なく歌ったもので、山口さんのエキゾチックな顔立ちとともに、何故か少年の頃の記憶に残っているんです。山口さんは、云わば大戦の犠牲者だったのでしょうが、この「イエライシェン」という歌は中国でも多くの人が知っているらしく、両国の橋渡しとまでは言えないにしても、歌が何かを繋ぐ効果を果たしたのではないかと思うのです。
イエライシェンはガガイモ科のつる性の低木、花自体は黄緑色の垂花で地味な感じです。中国やヴェトナムではこのイエライシェンを使った炒め物があるというが、そのニオイも遠くまで届くのでしょうか。