NO.302
北山杉
1月27日
1月27日の誕生樹の北山杉はノーベル文学賞を受賞した川端康成の小説『古都』に因んでいます。小説の中の”冬の花”の章で「実に真直ぐな木」と描写されていますが、友人である画家の東山魁夷がノーベル賞受賞のお祝いに2枚の絵を川端康成に送った一つが「冬の花」で、北山杉の凛とした美しさを描いたものです。特に、この時期に北山杉が花をつけるということではなく、冬の寒い時期に凛と佇む北山杉を「冬の花」と川端康成が名付けたことから、東山魁夷が絵にしたとのことです。文学者と画家の何という組み合わせなんでしょうか。
逆に、北山杉事態は花粉をつけないシロスギなので、実生ではなく、挿し木で増やして育てるとのことです。ちょうど染井吉野が接ぎ木で増やされていて同一クローンだということと同じで、北山杉も同じクローンということになるんですね。傾斜のきつい京都北山で植林され、その真っ直ぐな材は丁寧に人手で磨かれて、丸太として数寄屋造りの床柱として使われることが多いですね。
「杉磨く北山の里風花とす」(大石英子)