NO.250
ワビスケ
12月6日
ツバキ科の常緑低木のワビスケ(侘助)は、学名がCamellia wabisuke ということからヤブツバキ(Camellia japonica)と同じく日本原産と思いきや中国・朝鮮半島とのことです。ちなみに唐椿(トウツバキ)とも呼ばれています。
ウラクツバキ(12月13日の誕生樹)と同じように小ぶりの猪口咲きのツバキで、白色や赤色の花の他に「胡蝶侘助」と呼ばれている淡紅色に白い斑入りのものがあります。
ワビスケの特徴は、雄蕊の先の葯(花粉が入った袋)が不完全であることから結実することはなく、接ぎ木などで殖やされるようです。
ワビスケという名前の由来には朝鮮半島から持ち込んだ笠原侘助、堺の茶人・笠原侘助、利休お抱えの庭師・侘助の諸説があるようです。
花の少ない晩秋から寒中にかけて花をつけるワビスケは「わび・さび」を大事にする茶道と関係が深い花木です。
秀吉が信長の菩提を弔うために建立した京都の大徳寺・総見院には秀吉が利休から譲り受けてお手植えしたワビスケ(胡蝶侘助)が今も花を咲かせるとのことですが、信長、秀吉、利休が絡むというのも意味深なことです。
〇侘助や洛も北なる庭づくり(村山古郷)