NO.45
カツラ
5月15日
5月15日は京都の三大祭りの中でも最も古い歴史を持つ「葵祭」の日ですが、祭りの行列に参加するすべての人や牛車などには葵(フタバアオイ)の葉と桂(カツラ)の枝を髪などに飾るといいます。私も学生時代に馬術部に入っていましたので、この葵祭には馬の手綱を引く役で参加したのですが、その頃は植物・樹木にあまり関心がなかったので、残念ながら付けたかどうかは記憶にありません。
葵祭の始まりは、6世紀の欽明天皇の頃、凶作に悩まされ、賀茂神社に祭りを命じたことからだといわれています。祭りを司る二つの神社の内の一つの別雷(ワケイカヅチ)神社は水と火の神である雷神を祀り、そのご神木がカツラとなりました。水辺を好むカツラの花は、水色と真紅ですが、このことが水と火を連想させたのでしょうか。
文:椋 周二