NO.59
オーク
5月29日
大ヒットした映画「ロード・オブ・ザ・リング」にも登場するように、イギリスではオークは古くから神聖視されてきた木です。ちょうど、日本での松あるいは杉のようなものでしょう。(ちなみに日本の桜に相当する花木と言えばピンクのバラでしょうか)。家具や建築用木材として使われるほか、スコッチ・ウィスキーの酒樽の材料でもあり、“たくましさと長寿”の象徴でもあるようです。
そのイギリスで、1660年に王政復古を遂げたチャールズ二世が戦で負けた時、オークの木に隠れて助かったことを記念して彼の誕生日である5月29日にオークの葉で作った服などを着て祝う「Royal Oak Apple Day」があるとのことです。この名前の中にあるAppleとは、葉っぱにできる虫こぶの意味だと思います。
まさに、オークはイギリスを代表する木ですが、日英同盟100周年記念の時、駐日英国大使が日本各地でオークを記念植樹したというのもいい話です。
ロンドンにあるキュー植物園の中にも写真にあるような巨大なオークがありました。Royal Oak は現在、子供のオークですが、勢いがなくなっていることからチャールズ皇太子(王位が継承されればチャールズ三世となるのでしょうか)がそのドングリから育てた孫にあたる苗を植樹されたそうです。
文:椋 周二