• HOME
  • 2024年 第19回大会
  • 予選第四次審査講評

19th contest第19回大会について

第四次審査講評

第19回全国学校給食甲子園の全国6ブロック12代表が決定しました。

選定された12代表一覧はこちらにあります

北海道・東北ブロック
都道府県 施設名 講評

岩手県

遠野市学校給食センター

郷土愛を育む彩りのよい献立になっている。地元の高校や伝統野菜研究会と連携し、遠野の伝統野菜「早池峰菜」を使うなど、郷土の野菜を知ってほしいとのメッセージが込められている。
使用食材をYouTubeで配信するなど、受配校でICTを活用して食育に取組む体制をつくり、市の関係課と連携して地場産物の理解浸透を図っている。食数は比較的多いが、丁寧でバランスの良い献立をつくっており、市からの給食費補助があるように、地域の給食への理解が伺われる。

宮城県

東松島市学校給食センター

3000食規模の調理場でありながら、彩りが良いバランスのいい献立になっている。地元食材を白飯にあう料理にアレンジしているのが特長だ。
とり肉のみそチーズ焼きにインゲン豆ペーストを使ったり、郷土食「はっと汁」をカレー味にしてより親しまれるよう、味のバランスに工夫がみられる。「塩エコ大作戦」のスローガンを打ち出し、市と連携して減塩への取組みを行っている。給食の時間では、環境保全米を知ることから環境問題への視点を広げている。

関東ブロック
都道府県 施設名 講評

茨城県

石岡市立八郷学校給食センター

地場産物のアジを揚げて、レモンしょうゆソースをかけて、食べやすく工夫してある。小骨ごと食べられるので、不足しがちなカルシウムを摂ることができる。
地場産物の豚肉・ごぼう・大豆・にんじんを市内で醸造された味噌で味を付け、白飯に合うように工夫されている。有機農産物を市と協力して学校給食に使用し、児童に有機農業の実際を学ばせている。JAや生産者の協力を得ながら、地域と連携した食育の取組ができている。

千葉県

旭市第一学校給食センター

「鉄人そぼろごはん」は千葉県食肉公社と協力した主食で、豚レバーを使用することで不足しがちな鉄分を補うようにしている。また食品ロスの軽減にも寄与している。
江戸時代に考案された「性学もち」を活用し、食文化の伝承をしている。「旭ゆうがく汁」は、児童のレシピコンテストの作品をアレンジしたもので、子どもの興味を引き立てている。食育の視点を広げるため、児童・生徒に献立作りをしてみたいと思わせる指導に力を入れていることや、市をあげた「千産千消デー」に合わせた彩りの美しい献立を評価する

甲信越・北陸ブロック
都道府県 施設名 講評

富山県

高岡市立野村小学校

歴史と食文化を取り入れ地場産物は少ないが、彩りよくととのった献立になっている点は評価する。地域の歴史を給食献立から学ぶように工夫さている。
「高岡万葉まつり」にちなんだ「万葉献立」は教材性が高く、給食指導内容はクイズを入れながら興味を持たせ、同時に学びの多いものになっている。給食の放送ではNHKの大河ドラマ「光る君へ」や、元号の「令和」を話題にして食の文化へと興味をつないでいくなど、タイムリーなテーマを食育の学びに結び付けていることを評価する。

石川県

石川県立明和特別支援学校

特別支援学校なので、児童・生徒の発達段階に応じた献立作成や、食育を独自で開発しており、単独調理場方式の強みを生かしている。生徒が考案した献立「アクアパッツァ」を学校栄養士と調理員共働で料理に仕上げたことは評価できる。
子どもが栽培した食材を活用したり、郷土の調味料を洋風料理に活用するなど工夫があり、彩りがとても美しい手作り感のある献立である。高等部の野菜の栽培では、収穫した作物を給食の食材に使用して子どもたちに達成感を抱かせている。

中部・近畿ブロック
都道府県 施設名 講評

岐阜県

高山市学校給食センター

大規模(5664食20校)の給食センターでありながら、手の込んだ「あゆの開き」を使っており、地場の産物の使用率70%を達成している。すべて手作りの丁寧な献立となっていることも評価する。
また、献立を活かした給食の時間の指導では、地域の食と川について、さらに地域の食文化の理解について学習をしており、幅広い観点で食育を行っていることも評価できる。秋野菜を「すったて」という郷土料理に仕上げており、地域を流れる川を見直す食文化を行っている。

兵庫県

相生市立双葉小学校

地域の食材をたくさん活用し、全てのメニューに取り入れられている。地場産物の名前を使った献立名にするなど、ネーミングも工夫されており、彩りもよい献立である。
食育では5年生の社会科や5・6年生の総合的な学習の時間で高校生との交流授業を行っている。生産者団体や地域と連携して商品開発をしている商業高校との連携は、児童たちに新しい視点を持たせるいい機会になっている。高校生が食品開発した「ふりカキ」を学校給食に取り入れた点でも、小学校から高校まで巻き込んだ食育になっている。

中国・四国ブロック
都道府県 施設名 講評

広島県

広島県立庄原特別支援学校

めずらしいワニの肉やいのししの肉を上手に献立に取り入れている。うまく韓国風にアレンジして味つけに工夫があり食べやすく調理している。
リンゴゼリーも手作りで彩りが美しい。高等部の総合的な探求の時間で、献立を活用する食育に取り組むなど工夫がみられる。米の食べ比べや地域の生産者との交流などで児童・生徒に興味を持たせる展開の努力も見られる。地場産物の味美菜の見た目のクイズを行うなど、この学校の食育展開の工夫がみられる。

香川県

高松市立香南学校給食共同調理場

主食、主菜、副菜、汁ものが明確な献立になっており、給食を活用した食育がしっかり行われている。地元食材を効果的に献立に取り入れている工夫がみられ、独自の食育開発へとつながっている。
献立のアジに的をしぼった教材活用は、学年別に分けたメッセージが出ており評価する。アピールシートが分かりやすく、アジ、豚肉、地場産教材の仕上がりもいい。ICTを利用してパワーポイントにまとめて放映するなど、栄養教諭が訪問しないクラスでも担任が指導できている。

九州・沖縄ブロック
都道府県 施設名 講評

熊本県

錦町学校給食センター

彩りがよく、美しい献立になっている。地場産物を活用した料理と、伝統行事の「おくんち祭」に合わせた郷土料理「赤飯・つぼん汁」を組合せた献立もいい。
地場産物の梨をすりおろして、あえ物のたれに使用しており、献立・調理の工夫がみられる。「おくんち」に供される料理を給食で味わい、昔から伝わる風習や由来について知ることで、興味ある食育になっている。また家庭科で調理実習を行うことで文化伝承の意欲を高めている。

沖縄県

那覇市立松川小学校

沖縄県ならではの地場産食材や調味料を給食にうまく活用している。「まぐろとアーサの炊き込みご飯」や「豚肉とパパイヤの醤油麹炒め」など地場産物を学校給食に工夫して取り込んでいる。
県内産の規格外「美らキャロット」を給食で活用したり、豆腐屋さんで廃棄される「おから」を給食に使用している。このように実際の食材ロスを給食活用で見せることで、SDGsの取組みを学習することも評価する。