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  • 2024年 第19回大会
  • 表彰式

19th contest第19回大会について

  • 熊本県の垣下さんに調理員特別賞長年にわたってリーダーシップを発揮

    調理員特別賞(中野麗子賞)は、熊本県錦町学校給食センターの調理員、垣下美千代さんが受賞しました。垣下さんはこの日、冨永明希江・栄養教諭とペアを組み、クリ入り赤飯、さばの塩こうじ焼き、 切干しだいこんのなし酢あえ、つぼん汁など盛りだくさんの料理を手際よく調理しました。栄養教諭と呼吸を合わせた調理の手順も認められ、長島美保子審査副委員長から賞状と、株式会社藤江専務取締役の三宅郁子さんから盾を授与されました。
    垣下さんは、学校給食の調理員歴31年のベテランであり、この31年間すべて錦町学校給食センターに勤務してきました。現在、15人在籍する調理員の責任者になっており、調理部門のリーダーとして同僚をまとめる優れた仕事を、評価されてきました。この日のコンテストでは審査委員から、非常に手際よくかつ手堅い調理をしていると評価され、栄光の中野麗子賞を授与されました。
    この賞は「中野麗子賞」と副題がついていますが、これは調理員や学校栄養士の育成に取組み、日本で初めて給食調理事業を始めた中野麗子さんを讃えて副題に付けたものです。中野さんは今年92歳を迎えましたが、今なお人材育成に情熱を燃やし続けています。

  • 応募献立にレベルアップの傾向長島美保子審査副委員長の講評

    栄えある優勝・準優勝・食育授業最優秀賞をはじめ、調理員特別賞などたくさんの賞を手にされましたみなさま、本当におめでとうございます。心よりお祝い申し上げます。
    今回は、応募献立総数1051件でした。1次審査では、文部科学省から示されている学校給食摂取基準を遵守し、「学校給食として実施したもの」「栄養量や分量が適切なもの」「日頃の給食が食に関する指導に教材として生かされているもの」「子どもたちにとって魅力的な内容であるもの」といった観点を踏まえて審査をいたしました。
    1次審査通過は228校。これは応募総数の約22%にあたり、昨年の約19%を上回り、優れた献立が増えたということで、みなさんのレベルアップがうかがえました。
    2次審査では都道府県代表を決めましたが、応券数は部道府県により格差があり、応募数の多い県からは複数の選定をしているため、合計60校が2次審査を通過しました。また3次審査では、全国を6ブロックに区切り、ブロック代表を各4施設の24校を選びました。
    この3次審査では、彩りよくまとまった献立や地域の特産物を取り入れて食材の使い方に工夫のある献立、食材そのものの活用の仕方、調味、魚や肉のたれやソース、かくし味などにおいて、おいしい給食づくりにさまざまな創意工夫のあるものが選ばれました。
    最終の4次審査では、優劣のつけがたい給食献立・アピールシートがそろい、審査委員は大変苦労しました。それを勝ち抜いた12チームのみなさまは堂々たる戦いぶりでした。
    本日頂点に立たれ優勝旗を手にされた石川県立明和特別支援学校は、生徒との連携が深く、生徒の思いを給食にくみ取って、給食を実施されておりました。本日の献立は、生徒が栽培した食材の活用や郷土の調味料の使用が見られ、手作り感のあるものができあがっておりました。
    そして準優勝の香川県高松市立香南学校給食共同調理場は、 地元食材を非常に効果的に給食に取り入れ、まさに給食が重要な食育の教材となっておりました。主食・主菜・副菜・汁物ひとつひとつに配慮したおいしい献立でした。また、手配した食材が決勝会場に届かないというアクシデントにもめげず頑張られたことも、評価に値しました。
    過去の例では、全国学校給食甲子園に応募してきた献立のなかで、学校給食摂取基準を遵守し、多様な食品を上手に工夫して使い、減塩、食物繊維・鉄・カルシウムなど摂取が難しい栄養素を食材でうまく充足させていること、既製品に頼らない献立であることを通して、食育の教材として価値ある献立が、厳しい審査を勝ち抜いています。
    次回のコンテストには、さらに多くのみなさんから応募があることを願って講評とさせていただきます。

  • 閉会の挨拶
    アクシデントにも打ち勝って成功裏に大会を終える馬場錬成理事長の閉会挨拶

    今年もまた多くの感動の場面を残して、間もなく第19回学校給食甲子園が閉幕することになりました。滞りなく開催したことは、ひとえに皆さんの協力があって出来たものですが、どのような場面でも予期しないことが起きますが、この大会でも前代未聞のアクシデントがありました。
    それは香川県高松市香南学校給食共同調理場の谷西真理子栄養教諭、森下貴子調理員のペアがアクシデントに見舞われました。大会で調理するために高松から送った食材のほとんどが、運送業者の事情で予定通り届かないということが発生しました。 詳しい事情については、この表彰式の別のページで報告しますが、驚いたことに谷西栄養教諭と森下調理員はこのアクシデントにめげずに全面的に調理工程を見直し、食材の豆アジはサワラに、高菜の一種のまんばの代わりにコマツナを使うなど、様々な工夫を凝らして料理を作り、見事に準優勝に輝いたことでした。
    この陰には、女子栄養大学のレストラン松柏軒が食材調達に協力するなど多くの関係者の支援がありました。その支えをもとに2人の選手は、逆境に立たされたピンチをものの見事にはねのけ、準優勝のカップを奪取したことは、学校給食甲子園の歴史に大きな足跡を残しました。
    いま世界的に広がっている第3次産業革命ですが、チャットGPTに代表されるAI(人工知能)のツールと手段を応用することによって、人類はこれまで経験したことがない時代に突入しております。学校給食甲子園とて無縁でいるわけではありません。全国の先生方から応募された応募用紙は、すべて電子データとして管理しており、生成AIを使って分析・整理にも活用することが可能になっています。
    これからは、こうした先端ツール、手段を活用して、献立・食育授業の変遷やこれからの活動について模索することを始めます。時代と共に進化する学校給食、食育を明確に意識しながら成長する大会にしますので、これからもご支援いただきたくお願いします。
    多くの協賛社、後援団体があって初めてできる大会です。メディアの皆様の温かい目線での報道からも、大きな勇気をいただいておりますことを申し上げて第19回学校給食甲子園を閉幕とします。有難うございました。

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