- HOME
- 2012年 第7回大会
- 決勝レポート
栃木県 宇都宮市立田原中学校
「地域の郷土料理である『しもつかれ』は、県内ではパック詰めされて販売されています。
鬼おろしでおろしただいこん、にんじんと、一昼夜煮込んだ鮭の頭、節分の大豆、酒粕などを煮込んだ料理です。
しかし、とても手間がかかる上に、見た目の悪さ、酒粕の臭いなどから、若い人達には敬遠されています。
給食でも年に一度出していますが、やはり完食というわけにはいかない現状です。
そこで、これをアレンジしてみることにしました。
栃木県が開発した、大型で脂がのっておいしいヤシオマスに、しもつかれをソースとしてかけます。『ヤシオマスのしもつかれーゼ』というメニューを開発しました。
副菜に使うネギニラは、ねぎとニラを掛け合わせて開発されたものです。加熱するとネギとニラの両方のおいしいところが味わえます。
汁物は名産のかんぴょうと、全国生産量第2位の牛乳を使いました。栃木の名産を使いまろやかに仕上げたので、『とちまろ呉汁』と名付けました。
デザートは、栃木名産のいちご、とちおとめを使っています。
白米に五分づき米を混ぜたごはんでは、生徒が元気になるように玄米の良さを残しました。
このように、理科や社会の生きた教材として給食を作っています。
明日は応援してくださっている方達の代表としてがんばります」
埼玉県 所沢市立第1学校給食センター
「所沢市は東京のベッドタウンです。飛行場が初めてできた航空発祥の地でもあります。『となりのトトロ』も所沢のお話です。
江戸時代に開発した広大な農地も残り、たくさんの野菜が作られています。
三富いもほり丼には、地域のさつまいも、ブタ、にんじん、ひじきを使い、ワイルドなどんぶりになっています。
所沢はその昔、山芋がたくさん取れました。『野老(ところ)=山芋』がある沢だったので、所沢と呼ばれるようにななりました。
この山芋を使った汁物を作ります。山芋の団子と、たっぷりの野菜を入れて、けんちん汁風に仕上げます。
所沢のかぶとほうれん草の出荷量は全国上位です。このかぶとほうれん草を使い、梨をドレッシングにしたマリネは、東京スカイツリーとかけて『634(むさし)のマリネ』としました。
所沢市立第1学校給食センターは9100食以上の大規模センターです。
私(小林さん)が、ここに移ってきた時、初めは、大規模なので作業などが乱雑ではないかと思っていました。しかし、考えられないほどの苦労をして作業をしています。
私は所沢の名物献立を作りたいと思っています。誰もが知っている歴史と地域の食を結びつけ、所沢野菜をふんだんに使った献立です。もちろん、9000食以上を作るという作業工程をも考えなくてはなりません。
この大会で良い結果が出せれば、所沢の名物給食ができると思っています」
福島県 鮫川村学校給食センター
芳賀公美さんは、決勝進出3回めで、大会最多となった。
「第4回、第5回に続き3回目の決勝出場となりました。
鮫川村は農業を基幹産業としています。『マメで達者な村作り』という事業展開を推進しており、大豆とえごまが名産です。
震災後は、地産地消に対しても慎重に取り組み、検査をして安全を確保し献立作成をしております。
今回の献立は『みんなで作る給食』がテーマです。
特産品のしそとえごまを使ったハンバーグは、えごまがしそ科であることを認識させようと思いました。アクセントには梅を使っています。これは、栄養士、調理師の力作です。
『よく噛んで食べる』ことを考えて児童が作った『カミちゃんサラダ』は、児童の力作です。
つるむらさきは、福島をPRしています。
アイコという品種のミニトマト、丁寧に作られたお米は、生産者の力作です。
児童から応援メッセージも届きました。
給食センターのスタッフだけでなく、生産者の方、児童生徒、みんなが一体となって給食が作られているということを強調した献立です。
応援してくれたたくさんの人達のために、明日は精一杯がんばります」
岩手県 岩手大学教育学部附属特別支援学校
「明日使用する岩手の食材をご紹介します。
まず黒豆です。これは岩手大学農学部で試験栽培されています。高等部の生徒が1粒1粒選別をしています。
黒豆ごはんが決勝に進出したことを生徒達に報告すると、とてもうれしいと言ってくれました。
ヤーコンは、自校農園で、中学部園芸班が作っています。
今年は猛暑のため収穫量が少なめだったのですが、快く提供してくれました。
りんごは、学校近く果樹園のものです。ここには、中学部全員が年に2回、実習に行っております。
品種はフジです。蜜入りかどうかは…明日のお楽しみです。
明日は、岩手の恵みと、生産者と、子ども達を繋げる給食をがんばって作ります」