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4th contest 2009年 第4回大会

自然の恵み活かし郷土の味伝承
〜12チーム8日に決勝、第4回全国学校給食甲子園〜

豊穣の季節とともに恒例の学校給食甲子園は最後の戦いの幕を開ける。迎えて4回目の今年は過去最多となる1552校・給食センターが出場、最終的に選ばれた全国6ブロックの代表12チームが11月7日、決勝会場の東京・駒込の女子栄養大学駒込キャンパスに集まった。「美味しく食べて元気に育って!」。そんなふるさとの自然の恵みの願いを背に、給食のプロが知恵と技で作り上げた自慢の料理を見せる決勝大会。仰々しくも派手でもないが、人々のさまざまな思いが染み込んだ郷土の味を子どもたちに伝える。

味の伝承人は日本食文化の語りびとでもあるのだ。24人の選手は用意してきた地元の旬の食材や調理道具を手に会場の門をくぐった。冷蔵バッグで持参するチームも。念入りに調理室を下見する。同行のテレビ局取材チームが地元の代表を追った。

夜はいつもの前夜祭。各チームは調理場と勝手が違って少しあがりながらも工夫を凝らした地元PRを織り込み、熱い決意を表明した。調理の仲間、子どもたち、学校関係者の応援が脳裏をよぎる。故郷の食材の晴れ舞台なのだ。秘めた決意は固い。北から南から集まった選手は主催者らも交え、地元の話、調理の苦労話にと話題は尽きなかった。しばしの懇談が終わった。後12時間-。いよいよゴングが鳴る。

由緒あるレストランで前夜祭

午後6時半から前夜祭が始まった。第1回から休日返上で大会に協力してくれている同大学内の由緒あるレストラン、松柏軒がレセプション会場だ。温かく大会を応援してくれている後援、協賛、特別協賛の企業や団体の関係者、主催者らが見守る中、24人の選手が入場する。上気した顔、顔。晴れがましく、そして少し照れくさそうでもある。歓迎の拍手の輪が広がった。

選手に歓迎のエール

主催者を代表して特定非営利活動法人21世紀構想研究会理事長の馬場錬成・東京理科大知的財産専門職大学院教授が歓迎の挨拶に立った。「年々出場が増えている。毎年感動のドラマが生まれており、今回もきっと生まれると期待している。今日はリラックスして英気を養ってください」。短い言葉だが、食育の現場で日夜汗を流している全出場者そして決勝に歩を進めた選手たちへの熱いエールが込められている。

実行委員長の工藤・城西国際大学学長が激励

続いて大会実行委員長の工藤智規・城西国際大学学長が「家庭の食育指導がおろそかになってきて、さらに学校給食の重要性が高まっている。明日は1時間と短い時間だが、後片付けまで採点のポイント。日ごろの実践の成果を生かして健闘されることを祈っている」と、ユーモアを交えて話して緊張をほぐした

文科省の布村局長が挨拶

来賓の布村幸彦・文部科学省スポーツ・青少年局長は「学校給食を担当しているが、地場産物を給食に使うことは生きた教材となり、食育教育に役立っている。現場で地場産物を使った給食を心掛けておられる皆さんに感謝したい。これからもおいしい学校給食をつくって、食育教育の発展に貢献してほしい」と挨拶した

女子栄養大の香川学長が「乾杯!」

第1回から快く会場を提供していただいている女子栄養大の香川芳子学長が「日本の学校給食は世界的に見ても最高。どう食べればおいしく健康にいいかということを身に付けることは生涯に役立つ。この食の教育に家庭の役割が変化し、学校給食がそれを担っている。食の教育は日本の将来を左右する」と大会の意義を述べ、乾杯の発声。硬かった会場の雰囲気が一気に解けた。心尽くしの料理を楽しみ、アルコールが会話を盛り上げる。だんだん会場は騒然としてきた